関西電力株式会社、九州電力株式会社及び中部電力株式会社の火力発電設備輸入のための国際復興開発銀行からの外資の受入に関する説明書
IMF加盟以後、世界銀行から日本開発銀行を通じた初めての貸出しは、関西電力、九州電力、中部電力への電力開発事業に関するもので、関西電力には、大阪府泉南郡多奈川町(現・岬町)の造船所跡地への火力発電所建設計画に対して、昭和28年(1953)に2150万ドルの貸出しが行われました。
世界銀行からの貸出しには政府の保証を必要としたため、一旦日本開発銀行が世界銀行グループの一つである国際復興開発銀行より借入れ、それを各電力会社に転貸し、日本政府が日本開発銀行の債務を保証するという措置がとられました。世界銀行と各電力会社との交渉は難航しましたが、昭和28年10月ようやく合意に至りました。借款資金により、関西電力は多奈川発電所に米国製の7万5000キロワットの高温・高圧発電設備を2基購入しました。これにより増大した電力供給力は関西地域の産業・工業開発を支えることとなりました。また、外国からの先進機器の購入は、国産機器の技術向上にも貢献することとなりました。