明治時代に創設された勲章及び褒章について、その制度の変遷と、そこに関わった人々を通じて、今日までに至る栄典制度の歴史を振り返ります。
栄典とは
国家又は公共に対し功労のある方、社会の各分野における優れた行ないのある方などを表彰するものです。
西園寺公望(さいおんじきんもち) 大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく)
勲章と褒章の種類
勲章
国家又は公共に対し功労のある方に対して授与されます。
種類 | 対象 |
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旭日大綬章または瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある方 |
桐花大綬章(とうかだいじゅしょう) | |
旭日章(きょくじつしょう) 瑞宝章(ずいほうしょう) |
国家または公共に対し功労のある方
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文化勲章 | 文化の発達に関し特に顕著な功績のある方 |
褒章
特定の表彰されるべき事項について授与されます。
種類 | 対象 |
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紅綬褒章(こうじゅほうしょう) | 自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方 |
緑綬褒章(りょくじゅほうしょう) | ボランティア活動に従事し顕著な実績を挙げた方 |
黄綬褒章(おうじゅほうしょう) | 農業、商業、工業等の業務に精励し他の模範となるような技術や事績を有する方 |
紫綬褒章(しじゅほうしょう) | 科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方 |
藍綬褒章(らんじゅほうしょう) | 会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方又は国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務に尽力した方 |
紺綬褒章(こんじゅほうしょう) | 公益のため私財を寄付した方 |
この夏、皆様を「地獄」へご案内!?
平安時代末期~室町時代にかけて成立した説話文学を中心に、「地獄」にまつわる伝説・逸話を紹介します。
所蔵資料でみる、「地獄」の歴史
「地獄」という概念は、仏教伝来とともに日本人に受け入れられ、浄土信仰が広がった平安時代に一般化したといわれています。平安時代末期の源平合戦の時代を経て、混乱の時代がはじまると、さらに「地獄」は身近な存在として捉えられるようになりました。
今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)
『今昔物語集』『宇治拾遺物語』などをはじめとした説話文学は、こうした混乱期に成立しました。当時のさまざまな階層の人々を主人公とし、多くの伝説・逸話を収録しています。特に「地獄」にまつわる伝説は多彩な性格を見せ、こうした死生観は後世の日本人の価値観にも大きな影響を与えました。
多様なテーマの企画展
当館では、特別展(年2回開催)の開催中を除く期間に、多様なテーマによる企画展を開催しています。国民共有の知的資源である、歴史資料として重要な公文書等への親しみや関心を持っていただけるような展示を目指しています。
今年度の第3回企画展は今秋に開催予定です。お楽しみに!