外交関係樹立(1972)

 1970年代にはいると、Y. ツェデンバル首相は昭和46年(1971)の第16回党大会において、「モンゴル政府はあらゆる国との友好を希望しており、日本との関係を正常化するつもりである。モンゴル・日本両国間の関係正常化に障害となる大きな原因は存在しないとわれわれはみている」と、二国間の外交関係樹立への意志を明確に表明しました。
 同年には中島茂喜衆議院議員を代表とする日本政府派遣親善使節団がモンゴル政府の招待により同国を訪問しました。訪問には日本の外務省モンゴル担当係官も2名随行しており、L. リンチン外相等と会談しました。
 こうした双方の努力が実って、昭和47年(1972)ついに外交関係樹立、そして昭和52年(1977)の経済協力の協定により、二国間の関係と交流が根付き、お互いの距離はさらに縮まっていきます。

日本政府派遣親善使節団

日本政府派遣親善使節団のモンゴル訪問

 昭和46年(1971)9月10~15日。
国立中央公文書館(映像・画像・音声資料館)
K-19180-1
中島茂喜議員を団長とする、日本政府代表団及びその他の代表団によるダルハン食品工場の視察

外交関係の樹立へ

日本モンゴル外交関係の樹立1:日モ外交関係樹立に関する共同コミュニケ

 昭和47年(1972)2月19日、双方が日本とモンゴル間の外交関係樹立の希望及び、両国の経済・文化的協力の発展に継続して重要性を持たせることを表明しました。
外交中央公文書館
Fund-59, File-1, Unit-66
日モ外交関係樹立に関する共同コミュニケ

日本モンゴル外交関係の樹立2:日本とモンゴルとの外交関係の設定に関する交換公文

 日本国政府とモンゴル人民共和国政府は、両国の間に外交関係を設定し、大使級の外交代表を交換することを決定しました。昭和47年(1972)2月19日発表の共同コミュニケ(前資料)及び同24日の交換公文(本資料)には、日本とモンゴルの外交関係の設定が両国間の経済的及び文化的協力の発展を促進することを、双方が確信していることが書かれています。
 交換公文はモスクワで署名、交換され、日本語、モンゴル語に加えてロシア語訳が作成されました。
 本資料は、モンゴルから日本への来信の原本(署名あり)及びそのロシア語訳、並びに日本からモンゴルへの往信の写しです。
外務省外交史料館
2014-1657
日モンゴル関係

大使の任命1:N. ロブサンチュルテムを駐日モンゴル特命全権大使に任命

 昭和47年(1972)6月7日、二国間の外交関係樹立後、N. ロブサンチュルテムが駐日モンゴル特命全権大使に任命されました。
外交中央公文書館
Fund-151, File-21, Unit-02
天皇陛下に宛てた、駐日モンゴル人民共和国特命全権大使に任命されたN. ロブサンチュルテム大使の信任状

大使の任命2:駐モンゴル日本特命全権大使に任命された新関欽哉

 外交樹立を受け、モンゴルに日本の新関欽哉特命全権大使(前ソビエト連邦駐箚)が任命されました。新関大使は駐ソ大使と兼任でのモンゴル駐箚となりました。本資料は、昭和47年(1972)8月1日付の閣議了解人事任免に関する記録です。
 それまでの両国の接触・交流拠点はソ連でしたが、昭和48年(1973)6月には在モンゴル日本大使館がウランバートルに設置されました。
国立公文書館
平5総01256100
(ソヴィエト連邦駐箚)特命全権大使新関欽哉外5名兼ねてモンゴル国駐箚等を命免することについて

大使の任命3:駐モンゴル日本特命全権大使に任命された新関欽哉

 昭和47年(1972)8月24日。
外交中央公文書館
Fund-59, File-1, Unit-72
駐モンゴル人民共和国日本特命全権大使に任命された新関の、モンゴル人民共和国人民大会議幹部会第一副議長S. ロブサン宛ての信任状の訳文

学術交流

 昭和47年(1972)10月、小澤会長と荒井氏はモンゴル科学アカデミーのB. シレンデブ総裁と会見し、日本モンゴル学会が日本政府の援助のもと以下の通り共同研究を行うことに合意しました。
  1. 昭和49年(1974)~昭和50年(1975)に日本の学会とモンゴル科学アカデミーの共同研究。
  2. 両国の研究者の交換。
  3. モンゴル科学アカデミーが出版した書籍の価格と、日本で出版されたモンゴルに関する書籍の価格を同一にすることに関する意見の交換。
国立中央公文書館(歴史資料館)
Fund-23, File-2, Unit-724
モンゴルの研究をしている日本の研究会(日本モンゴル学会)会長小澤重男、荒井伸一らによるモンゴル人民共和国の訪問

駐日モンゴル大使館の設置

 昭和47年(1972)11月9日、駐日モンゴル大使館が東京に設置されること、その人員配置や体制が本決議で決定されています。
国立中央公文書館(政党・公共団体関連資料館)
Fund-4, File-32, Unit-178
駐日大使館設置を定めた、モンゴル人民革命党(MPRP)中央委員会政治局決議第272号

在モンゴル日本大使館の設置

 昭和48年(1973)6月15日。
 在モンゴル日本大使館参事官崎山喜三郎がモンゴル駐箚大使着任までの期間、臨時代理大使として同大使館の館務を行いました。
外交中央公文書館
Fund-59, File-1, Unit-73
ウランバートルに在モンゴル日本大使館を開設し、崎山喜三郎参事官を代理大使として任命することを知らせた公文

秋山光路駐モンゴル日本特命全権大使の就任

 昭和52年(1977)。
国立中央公文書館(映像・画像・音声資料館)
K-16315m
駐モンゴル日本国特命全権大使秋山光路の、信任状を手交する前の写真
利用について
ページのトップへ戻る