25 阪神・淡路大震災

 平成7年(1995)1月17日午前5時46分、明石海峡下を震源とし、六甲・淡路断層帯で発生したM7.3の地震は、福井地震以来はじめて震度7を記録しました。阪神・淡路大震災と名付けられたこの地震の主な被災地域は、兵庫県を中心に大阪府、京都府などで、死者6434人、被害総額約10兆円におよぶ甚大な被害となりました。
 発生が早朝であったため、就寝中に家屋や室内家具の下敷きになるなどして亡くなった人が多く、死因の約8割にも及びました。特に、耐震性を考慮して建築基準法が改正された昭和56年(1981)以前に建築された木造住宅の倒壊が多く、古いビルや高速道路でも倒壊したものがありました。こうしたことから、震災後、耐震補強・家具固定に関する国民の意識が高まり、平成7年12月25日には「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」が施行され、新耐震基準を満たさない建築物について積極的に耐震診断や改修が進められました。
 また、地震を機に、消防・レスキューなどの救助体制についても見直しが図られました。神戸市長田区では木造住宅が密集していた地域を中心に全体で約7千棟が焼失する火災が発生しました。消火活動においては、水道施設が断水したため消火活動ができない、瓦礫がれきの山で消防・救急の特殊車両が現場に到着できないなどの様々な問題が発生し、鎮火までに2日を要することとなりました。こうした問題点を受けて、平成8年には東京消防庁のハイパーレスキュー(消防救助機動部隊)などの特殊部隊が創設されたほか、消防無線における全国共通波の増波や消防・警備における全国的な応援体制の整備が進められました。
 また、本災害では、ボランティア活動が注目を集め、活動に参加した人の数は地震から3ヶ月で延べ117万人とも言われています。平成7年は「ボランティア元年」とも言われ、後に1月17日は「ボランティアの日」、17日を含む前後3日間は「ボランティア週間」とされました。
 その他、平成7年に、被災都市への復興都市計画を緊急かつ迅速に行うための被災市街地復興特別措置法が制定されるなど、復興のための様々な措置が図られました。また、平成10年に被災者生活再建支援法が制定されました。同法は、自然災害による被害のため生活再建が困難な個人に対し、都道府県が被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めたものです。主として被災者への住宅再建などの対策として制定されました。

まち・ひと・復興:震災復興ニュース(建設省近畿地方建設局震災復興対策本部発行)
請求番号:平16 法務00020100
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