アーキビスト(archivist)とは、公文書館をはじめとするアーカイブズ(archives)において働く専門職員を言います。
アーキビストは、組織において日々作成される膨大な記録の中から、世代を超えて永続的な価値を有する記録を評価選別し、将来にわたっての利用を保証するという極めて重要な役割を担います。アーキビストが存在しない組織では、 その時々の担当者の考えや不十分な管理体制によって、本来は残されるべき記録が廃棄されるなど、後世に伝えられるべき重要な記録、さらにその記録をもとに記されるはずの歴史が喪われてしまう恐れがあります。
このような重要な役割を担うアーキビストには、高い倫理観とともに、評価選別や保存、さらには時の経過を考慮した記録の利用に関する専門的知識や技能、様々な課題を解決していくための高い調査研究能力、豊富な実務経験が求められます。
独立行政法人国立公文書館では、長年、アーキビストの養成や資格化について検討を進め、平成10年度からはアーキビスト養成を目的とする長期研修の公文書館専門職員養成課程(現アーカイブズ研修Ⅲ)を開催するなど、その養成に関する取組を進めてきました。
また、公文書等の管理に関する法律の5年後見直しを契機として、平成30年度には、アーキビストの職務とその遂行上必要となる知識・技能を明らかにした「アーキビストの職務基準書」(平成30年12月)を当館が関係機関の意見を踏まえて作成しました。令和2年度から、改めてアーキビストの資格化の検討を進め、国民共有の知的資源である公文書等の適正な管理を支え、かつ永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を確立するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、アーキビストとしての専門性を有すると認められる者を認証アーキビストとして国立公文書館長が認証することとしました。
認証アーキビスト リーフレット(令和7年3月修正版)※名簿の全部または一部を無断で転載、複製、譲渡、販売および営業目的などで使用することを禁止します。
※ホームページ等に名簿の掲載を希望する場合には、事前にアーキビスト認証担当までご連絡ください。(刊行誌等に掲載を希望する場合は、事前に掲載希望範囲と頒布先等を担当までご相談ください。)
【認証アーキビストの方々へ】
所属名・現住所等に変更がある場合は、アーキビスト認証担当まで随時ご連絡下さい。
◇申請者・認証者数
過去に行われた申請者・認証者のデータは以下の通りです。
実施回 | 年度 | 申請者数(人) | 合格者数(人) | 認証者数(人) |
---|---|---|---|---|
第1回 | 令和2年度 | 248 | 190 | 190 |
第2回 | 令和3年度 | 81 | 57 | 57 |
第3回 | 令和4年度 | 50 | 34 | 34 |
第4回 | 令和5年度 | 59 | 42 | 42 |
第5回 | 令和6年度 | 40 | 32 | 32 |
合計 | 478 | 355 | 355 |
認証を受けるためには、「知識・技能等」、「実務経験」、「調査研究能力」の3要件が必要となります。
国立公文書館長は、申請者が提出した書類を基に、館に設置するアーキビスト認証委員会に審査を依頼します。同委員会は申請者が「アーキビストの職務基準書」(平成 30 年 12 月)に示されたアーキビストとしての専門性を有するか、申請書類により審査を行います。国立公文書館長はその結果に基づき、アーキビストとしての専門性を有すると認められ、登録料を納入した者に対し、以下の名称を付与し、認証状を授与します。
和文表記:認証アーキビスト
英文表記:Archivist Certified by the National Archives of Japan
※ アーキビスト認証委員会の議事の記録、委員の構成等については「アーキビスト認証委員会」をご覧ください。
●大学院
・島根大学大学院人間社会科学研究科認証アーキビスト養成プログラム
・昭和女子大学大学院生活機構研究科生活文化研究専攻アーキビスト養成プログラム
・筑波大学大学院人間総合科学学術院情報学学位プログラム及び人文社会ビジネス科学学術院人文学学位プログラム
・別府大学大学院文学研究科史学・文化財学専攻アーキビスト養成プログラム(リンク調整中)
●関係機関の研修
・独立行政法人国立公文書館 アーカイブズ研修Ⅰ・同Ⅲ(計4週間)
・大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国文学研究資料館 アーカイブズ・カレッジ(長期コース)
各大学院等での履修科目等の詳細は『令和7年度 認証アーキビスト 申請の手引き P.7~10』をご覧ください。
※その他、諸外国における大学院修士課程の科目又は関係機関の研修の内容が、認証アーキビスト審査規則別表1に示されたアーキビストとして必要な知識・技能等を満たすか否かは、認証委員会が個別に判断します。
※アーキビスト養成に関する大学院修士課程の科目の設置を検討している高等教育機関等のご担当者や関係者に対しては、ご希望に応じて説明会を開催いたしますので、ご連絡ください。
令和7年度の申請方法については、以下をご覧ください。
【全体版】5.3MB
『令和7年度 認証アーキビスト 申請の手引き』(令和7年3月改定 国立公文書館)
【分割版】
表紙・目次・スケジュール(1.3MB)
1 アーキビスト認証について(1.3MB)
2 認証要件(1.3MB)
3 申請方法(3.6MB)
4 審査結果の通知及び認証状の交付(1.3MB)
5 よくある質問(FAQ)(1.2MB)
裏表紙(1.1MB)
申請書様式 [Word形式:139KB]・[PDF形式:398KB]
審査結果は、申請者に対して個別に通知します。審査に合格した申請者は登録料として 4,000 円(消費税込み)を、期日までに銀行振込で納付してください。登録料の納付確認後、手続が済み次第、認証状をお送りします。 認証を受けたアーキビストは、氏名・認証番号・認証年度・所属名及び現住所(都道府県名)が認証アーキビスト名簿に記載され、国立公文書館のホームページ上にて公表されます。 ※ 認証手続は登録料の納付が確認できるまで完了しませんので、ご注意ください。 ※ 認証アーキビスト名簿に記載する所属名及び現住所(都道府県名)は、申請書(様式1)にて本人の同意を得た場合にのみ公表します。 |
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認証状(イメージ) |
『令和7年度 認証アーキビスト 申請の手引き P.45~58』をご覧ください。
〒102-0091
東京都千代田区北の丸公園3番2号
独立行政法人国立公文書館
統括公文書専門官室 アーキビスト認証担当
電話 03-4360-3174(担当直通、土日・祝日を除く9:30~17:00)
FAX 03-3212-8809
Email ninsho◆archives.go.jp(◆を@に変更)
URL https://www.archives.go.jp/ninsho/index.html
※問合せ先と申請窓口Email(jca.shinsei◆archives.go.jp(◆を@に変更))が異なりますのでご注意ください。