認証アーキビストについて

認証アーキビストとは

 アーキビスト(archivist)とは、公文書館をはじめとするアーカイブズ(archives)において働く専門職員を言います。

 アーキビストは、組織において日々作成される膨大な記録の中から、世代を超えて永続的な価値を有する記録を評価選別し、将来にわたっての利用を保証するという極めて重要な役割を担います。アーキビストが存在しない組織では、 その時々の担当者の考えや不十分な管理体制によって、本来は残されるべき記録が廃棄されるなど、後世に伝えられるべき重要な記録、さらにその記録をもとに記されるはずの歴史が喪われてしまう恐れがあります。

 このような重要な役割を担うアーキビストには、高い倫理観とともに、評価選別や保存、さらには時の経過を考慮した記録の利用に関する専門的知識や技能、様々な課題を解決していくための高い調査研究能力、豊富な実務経験が求められます。

 独立行政法人国立公文書館では、長年、アーキビストの養成や資格化について検討を進め、平成10年からはアーキビスト養成を目的とする長期研修の公文書館専門職員養成課程(現アーカイブズ研修Ⅲ)を開催するなど、その養成に関する取組を進めてきました。

 令和2年度から、公文書等の管理に関する法律の5年後見直しを契機として、改めてアーキビストの資格化の検討を進め、国民共有の知的資源である公文書等の適正な管理を支え、かつ永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を確立するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、アーキビストとしての専門性を有すると認められる者を国立公文書館長が認証することとしました。

認証アーキビスト名簿

認証アーキビスト名簿(令和5年4月1日現在) pdfファイル

※名簿の全部または一部を無断で転載、複製、譲渡、販売および営業目的などで使用することを禁止します。ホームページ等に名簿の掲載を希望する場合には、事前にアーキビスト認証担当までご連絡ください。(刊行誌等に掲載を希望する場合は、事前に掲載希望範囲と頒布先等を担当までご相談ください。)


【認証アーキビストの方々へ】

 所属名・現住所等に変更がある場合は、アーキビスト認証担当まで随時ご連絡下さい。


◇申請者・認証者数
 過去に行われた申請者・認証者のデータは以下の通りです。

   
実施回 年度 申請者数(人) 合格者数(人) 認証者数(人)
第1回 令和2年度 248 190 190
第2回 令和3年度 81 57 57
第3回 令和4年度 50 34 34
合計 379 281 281

認証の仕組み

 認証を受けるためには、「知識・技能等」、「実務経験」、「調査研究能力」の3要件が必要となります。
 国立公文書館長は、申請者が提出した書類を基に、館に設置するアーキビスト認証委員会に審査を依頼します。同委員会は申請者が「アーキビストの職務基準書」(平成 30 年 12 月)に示されたアーキビストとしての専門性を有するか、申請書類により審査を行います。国立公文書館長はその結果に基づき、アーキビストとしての専門性を有すると認められ、登録料を納入した者に対し、以下の名称を付与し、認証状を授与します。

  和文表記:認証アーキビスト
  英文表記:Archivist Certified by the National Archives of Japan


  認証の仕組み

※ アーキビスト認証委員会の議事の記録、委員の構成等については「アーキビスト認証委員会」をご覧ください。

認証アーキビストとして必要な知識・技能等の内容が修得できる大学院や関係機関の研修

●大学院

 ・学習院大学大学院人文科学研究科アーカイブズ学専攻

 ・大阪大学アーキビスト養成・アーカイブズ学研究コース

 ・島根大学大学院人間社会科学研究科認証アーキビスト養成プログラム

 ・昭和女子大学大学院生活機構研究科生活文化研究専攻アーキビスト養成プログラム

 ・東北大学大学院文学研究科認証アーキビスト養成コース

 ・中央大学大学院文学研究科アーキビスト養成プログラム

 ・筑波大学大学院人間総合科学学術院情報学学位プログラム及び人文社会ビジネス科学学術院人文学学位プログラム


●関係機関の研修

 ・独立行政法人国立公文書館 アーカイブズ研修Ⅰ・同Ⅲ(計4週間)

 ・大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国文学研究資料館 アーカイブズ・カレッジ(長期コース)


※アーキビスト養成に関する大学院修士課程の科目の設置を検討している高等教育機関等のご担当者や関係者に対しては、ご希望に応じて説明会を開催いたしますので、ご連絡ください。

認証の有効期間

 認証の有効期間は、認証状交付の日から起算して5年です。更新の仕組み・方法等については、「更新方法」をご覧ください。

アーキビスト認証に係るこれまでの取組

月日 内容
平成26年 アーキビストの養成に係る検討に着手
平成29年 5月~ アーキビストの職務基準に関する検討会議(計5回)開催(~平成30年12月)
平成30年 12月 アーキビストの職務基準書の確定
平成31年 3月~ アーキビスト認証準備委員会(計5回)開催(~令和2年3月)
令和元年 12月 「アーキビスト認証に関する基本的考え方」取りまとめ
令和2年 6月8日 アーキビスト認証委員会(第1回)開催
令和3年 1月1日 第1回認証
令和4年 1月1日 第2回認証
令和4年 6月8日 令和4年度認証アーキビストの申請に係る手続きを公表
6月17日 令和4年度認証アーキビストの申請に係る説明用動画を公開
9月1日 令和4年度認証アーキビスト申請の受付開始(9月30日まで)
10月~11月 アーキビスト認証委員会での審査
11月30日 アーキビスト認証委員会から国立公文書館長へ審査結果の報告
12月9日 申請者に対する合否結果の通知
令和5年 1月1日 第3回認証

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