アーキビストに聞く vol.16 業務を通して得た多くの経験を後輩に引き継いでいきたい 上席公文書専門官 寺澤 正直さん

学生時代は、図書館情報学と呼ばれる分野で、地域資料や目録について、学んでいました。そうした中で、大学院の先生から国立公文書館が非常勤職員を募集していることを教えていただき、学んできた内容と親和性の高い職場であれば、自身のスキルを生かせるのではないかと考えて応募しました。無事に採用され、2010年から勤務を開始しました。
 入職当初の約2年間は、業務課の電子情報係に配属され、国立公文書館デジタルアーカイブと電子公文書等の移管・保存・利用システムの担当の一人でした。特に、電子公文書のシステムは、国立公文書館にとって初号機(初めての開発するシステム)でしたので、お手本が少ない手探りの業務でした。
 それらの業務の傍ら、2011年に東日本大震災が発生し、被災した公文書の修復支援事業の一環で、東北地方へ赴き、短期間ですが、作業のお手伝いをしたことが記憶に残っています。2012年からネットワークの管理や情報セキュリティについての業務を行う情報システムの担当になりました。
 2014年からは企画法規係に配属され、法人の年度目標や計画の策定、特定歴史公文書等の利用決定に関する審査請求対応、広報業務などを担当しました。この時期にJFK(ジョン・F・ケネディ)をテーマとした特別展示を開催していまして、広報担当として関連イベントの企画や実施も携わりました。非常に力の入った展示であり、今でも特に思い入れの深い業務の一つです。
 2016年からは内閣府へ出向し、国立公文書館との橋渡し役となる業務を担当しました。その後、2018年に館へ戻ってからは積極収集担当として、資料の寄贈・寄託に関する相談対応、資料の所在調査、デジタルデータによる資料収集などを行いました。続く2020年からの4年間は、資料の保存・修復、目録作成、利用支援といった、国立公文書館の中核をなす資料を扱う業務に携わりました。
 現在は上席公文書専門官として、海外における公文書管理に関する情報収集、公文書管理や公文書館に関する国際会議への参加といった、国際業務に携わっています。また、調査研究の担当として、研究論文の執筆を行うこともあります。最近は、新館に関する業務、特に研究基盤(シンクタンク)に関する業務が増えてきていることもあり、資料や業務に関わる幅広い分野に携わっています。
 国立公文書館で仕事をする魅力として、いろいろな仕事を、様々な分野の専門性の高い職員と一緒に行えることが挙げられると考えています。今後は、これまでの業務を通じて得た経験や知見を後輩へと引き継ぐこと、専門性の高い職員が多く在籍する組織の中で、互いに連携しながらそれぞれの力を発揮できる環境づくりに努めていきたいと考えています。