電子公文書の今デジタル技術による公文書の管理
公文書は紙のイメージが強いかもしれませんが、最近ではパソコンなどで作成
されたデジタルデータのまま保存されることが多くなってきました。
本号では、このデジタルデータの公文書=「電子公文書」について紹介します。

電子公文書とは


電子公文書ってなに?

パソコンやスキャナなどのデジタル技術を用いて作成され、デジタルデータのまま取り扱っている公文書のことです。




国立公文書館は電子公文書をどれくらい
保存しているの?

国立公文書館では累計で約9,000件(令和7年6月現在)の電子公文書を保存しています。1年あたりの受入れ量は、5年前に比べ10倍以上になっています。
電子公文書の作成から利用までの流れについては図2を参照してください。


電子公文書の作成から利用まで

電子公文書の利用


電子公文書を利用してみたいのですが?

電子公文書は、「デジタル」であるため、インターネットを通じて、時間や場所に制約されずに利用することができます。
国立公文書館では、基本的には「国立公文書館デジタルアーカイブ」で電子公文書を利用に供しています。そのため、いつでも、どこからでも電子公文書を利用する
ことができます。
※検索方法については図3のとおり


電子公文書の保存



電子公文書は、どうやって管理しているの?

文書の管理に必要な情報(メタデータ)を、個々の電子公文書に付与して、セキュリティが確保された環境で管理しています。

メタデータっていったい何?

メタデータは「データに関するデータ」と呼ばれています。「この電子公文書はどんなものなのか?」を説明するデータです。

電子公文書は消えたりしないの?

国立公文書館では電子公文書を、主に「電子公文書等の移管・保存・利用システム」で保存しています。このシステムでは、情報セキュリティ対策やバックアップを行っています。

電子公文書はいつまでも読めるの?

電子公文書は、世の中の技術に大きく影響を受けるため、何も対策を施さなければ、電子公文書を「読める」期間は、紙などに比べると短いと言えるでしょう。将来、世の中の技術が変化した場合には、例えばフォーマットを変換するなど、読める状態を確保し続けていく必要があります。
現在、そして将来の人びとが電子公文書を利用できる状態にするためには、作成や保存時がとても重要です。どんなフォーマットで作成し、様々なリスクに備え、どのように保存してくか、考える必要があります。
国の行政機関においては、電子公文書を、長期保存のリスクが低いPDF/A
やJPEG、MP4 などの「標準的フォーマット」で作成し保存することが定められています。
電子公文書のガイドブックを公開中

国立公文書館では、電子公文書の作成・保存・利用に関する基本的な知識や考え方に関し、広く電子公文書の管理にかかわる人々の実務の参考に資するよう「電子公文書の作成・保存・利用ガイドブック」を作成しました。
また、地方公共団体のアーカイブズ機関との意見交換や行政機関等へ技術支援を行っています。