『霊憲 候 簿 』
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請求番号:特006-0001
国立公文書館が所蔵する『霊憲候簿』が、令和7年に重要文化財の指定を受けることになりました。
『霊憲候簿』は、天文方の渋川景佑(1787 ~
1856)が幕府の命を受けて作成した天文観測記録です。
令和7年3月の文化審議会において、「19世紀中葉の天体及び気象の測量記録として貴重であり、同時代における西洋天文学の受容と測量技術の実態を伝え、我が国の天文暦学史、気象史上に価値が高い」との評価を受けました。

天保10 年8月1日に観測された金環日食の記録
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江戸に3尺(約90㎝)の大雪が降ったといわれる
天保12 年12月17 日の気象データ
渋川景佑による天文観測は天保9年(1838)11 月に小石川三百坂の自宅内の測量所で始まり、同13年(1842)6月以降は、九段坂上の測量所で次男佑賢
や多くの下僚の協力を得て、安政元年(1854)まで、17 年間続けられました。
子午線儀・垂揺球儀・象限儀等を用いた天文観測のデータのほか、毎日の天気や気温・気圧も記録されています。