今号のアーカイブ

ぜん そう へい 「三国志」

拡大表示
全相平話「三国志」

【請求記号:重002-0002】

 「三国志」は、政治の腐敗や黄巾賊の乱によって社会が大混乱に陥った後漢王朝(25 ~ 220)末期を舞台とした物語です。
 劉備たちは、長江下流域を支配する「呉」の孫権と同盟を結び、北から攻めてきた曹操軍と長江流域の「赤壁」で対決します。この戦いは、「火計」によって勝敗が決しましたが、この「火計」には風が重要です。ここでは、諸葛亮が祭壇を築き、方術を行って風を呼び寄せたということになっています。挿し絵には、方術を行う諸葛亮と炎に包まれる曹操軍の船が描かれています。

公文附属の図・一七号 秩禄公債証書見本
「秩禄公債証書見本(五十円)」

拡大表示
秩禄公債証書見本(五十円)

【請求番号:附A 00017100】

 「秩禄公債証書見本」とは、明治6年(1873)に交付された公債証書の見本です。秩禄とは、江戸時代からの家禄と、維新の功績に対する賞典禄とを合わせたものです。明治4年(1871)の廃藩置県と明治6年の徴兵制の実施により士族の軍事力は必要性を失い、家禄制度は見直しを迫られるようになりました。また、華・士族への家禄は財政の大きな負担となっており、制度の見直しが必要となりました。
 そこで、政府は、明治6年12月に家禄及び賞典禄の百石未満の者で奉還を申し出た者に、産業資金として永世禄は6か年分、終身禄は4か年分を半額ずつ現金と公債証書で交付しました。そして、明治9年8月には金禄公債証書発行条例を公布し、禄高によって5か年以上14 か年分に相当する額面の公債証書を付与し、すべての禄を廃止する「秩禄処分」を行いました。