日本人の生活には「初」にまつわる行事・風習が多く存在しています。お正月の初詣や書き初めは現代でも広く行われており、また、お食い初めなどの子どもの成長にともなう行事や初午
などの年中行事も社会のなかに根付いています。
このような行事・風習は江戸時代にも広く行われていましたが、書き初めで書く言葉など、現代とは異なる慣習もありました。また、江戸時代には謡初などの幕府・朝廷での行事をはじめとして、現代には見られない行事・風習も行われていました。
今回、新元号になって「初」の年明けを迎えて開催する本展では、こうした江戸時代の様々な行事・風習を取り上げ、「初」にまつわる資料をご紹介します。
諸国図会年中行事大成
京都を中心に全国の神社の神事や祭祀、寺院の法会や開帳また年中行事について、図を交えて解説した書です。画像は「元三市街 之図」。画像では、門松が飾られた家に新年の挨拶に訪れる人や、羽子板に興じる女性や子どもたちが描かれています。 文化3年(1806)刊行。
令和2年2月5日(水)~3月10日(火)まで、千葉県文書館において、同館との共催展示を開催します。
本展では、国立公文書館が所蔵する江戸幕府から引き継いだ蔵書や資料等と、千葉県文書館が所蔵する徳川家康関係の資料などを展示し、徳川家康の生涯と房総との関わりをご紹介します。
御実紀
通称「徳川実紀」と呼ばれ、林述斎
らにより編纂され、天保14年(1843)に完成した幕府の正史です。初代家康から十代家治に至る歴代将軍ごとの治績を編年体で記し、逸話については、付録としてまとめたものです。全485冊、紅葉山文庫旧蔵。
「御実紀」慶長18年(1613)12月6日条には、家康が翌年正月に上総東金(現在の千葉県東金市)辺りで鷹狩りを行いたいとの意向が記されており、実際に東金を訪れ、鷹狩りを行っています。
国立公文書館友の会会員(18歳以上の方)を対象に、ボランティアガイドの募集を準備しています。ガイドのみなさまには、当館の展示を解説する「展示ガイド」や、当館所蔵資料を紹介する「所蔵資料ガイド」としてご活動いただきます。ガイドのみなさまの当館に対する理解と関心が更に深まり、また、利用者同士の交流が進むことを期待しています。近日、ホームページなどでの公表予定です。ぜひ、ご期待ください。