天皇皇后両陛下と平成の時代

平成31年4月30日、天皇陛下が退位され、平成の時代が幕を下ろします。ここでは、天皇皇后両陛下が歩まれた平成の時代を振り返るとともに、その歩みに関わる当館の所蔵資料をご紹介します。

の関連資料は、デジタル展示「天皇陛下御在位20年記念公文書特別展示会」(https://www.archives.go.jp/exhibition/digital/gozaii/index.html)でご覧頂けます。

主な出来事

昭和8年(1933)12月 昭和天皇の第一皇男子(皇太子)として御誕生。お名前「明仁」、御称号「継宮」★

改元物語

「親王殿下御誕生を新聞、通信社に発表の件」

昭和33年(1958)11月 皇室会議により御婚約が決定★

御成婚のご様子(宮内庁提供画像)

昭和34年(1959)4月  結婚の儀★

「皇太子殿下の婚姻に関する件」

昭和35年(1960)2月  第一皇男子、浩宮徳仁親王殿下御誕生

昭和40年(1965)11月 第二皇男子、礼宮文仁親王殿下御誕生

昭和44年(1969)4月  第一皇女子、紀宮清子内親王殿下御誕生

昭和64年(1989)1月  天皇陛下御即位

昭和64年(1989)1月  剣璽等承継の儀

平成元年(1989)1月  新元号「平成」施行

新元号"平成"を発表する小渕官房長官

平成

 昭和64年1月7日、昭和天皇の崩御に伴って、政府は新元号を「平成」と制定。1月8日午前0時から平成元年が始まった。政府によって発表された首相談話では、「平成」の出典として、『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経(偽古文尚書)』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」が示され、「『平成』には国の内外にも天地にも平和が達成されるという意味が込められている」とされた。

平成元年(1989)1月  即位後朝見の儀

平成元年(1989)2月  昭和天皇の「大喪の礼」(新宿御苑)

平成元年(1989)4月  [消費税3%導入]

平成元年(1989)11月 [ベルリンの壁崩壊、翌十二月に冷戦終結]

平成2年 (1990)6月  文仁親王殿下、川嶋紀子様と御結婚、秋篠宮家御創立

平成2年 (1990)11月 即位礼正殿の儀★

即位礼正殿の儀(松の間)(宮内庁提供画像)

平成2年 (1990)11月 祝賀御列の儀

平成2年 (1990)11月 饗宴の儀

平成3年 (1991)1月  [湾岸戦争勃発]

平成3年 (1991)7月  雲仙・普賢岳の噴火で大火砕流発生。被災地をお見舞い

雲仙・普賢岳被災地にて、被災住民をお見舞いされる両陛下(共同通信イメージズ)

平成3年 (1991)9月  天皇皇后両陛下、タイ・マレーシア・インドネシアを御訪問

平成3年 (1991)10月 秋篠宮文仁親王第一女子、眞子内親王殿下御誕生

平成4年 (1992)10月 日中国交正常化20周年で中国を御訪問

平成5年 (1993)4月  第44回全国植樹祭に御臨場(天皇として初めて沖縄県を御訪問)

平成5年 (1993)5月  [Jリーグ開幕]

平成5年 (1993)6月  皇太子徳仁親王殿下、小和田雅子様と御結婚

平成5年 (1993)7月  北海道南西沖地震発生。被災地をお見舞い

平成5年 (1993)12月 新御所に御移転

平成6年 (1994)12月 秋篠宮文仁親王第二女子、佳子内親王殿下御誕生

平成7年 (1995)1月  阪神・淡路大震災発生。被災地をお見舞い

阪神・淡路大震災にて、被災住民を励まされる両陛下
(共同通信イメージズ)

平成7年 (1995)3月  [地下鉄サリン事件発生]

平成7年 (1995)7月  戦後50年にあたり、長崎県・広島県を御訪問

平成7年 (1995)8月  戦後50年にあたり、沖縄県・東京都慰霊堂を御訪問

平成7年 (1995)11月 [マイクロソフトが「Windows95」日本語版発売]

平成9年 (1997)4月  [消費税が5%に増税]

平成9年 (1997)4月  皇后陛下御歌集『瀬音』を御出版

平成10年(1998)2月  冬季五輪長野大会開催。開会式に御臨場

平成10年(1998)3月  冬期パラリンピック長野大会開催。競技をご覧になる

冬季パラリンピック長野大会の競技会場で、観客のウエーブに参加される皇后陛下と笑顔の天皇陛下
(共同通信イメージズ)

平成10年(1998)5月  天皇陛下、長年にわたるハゼ科魚類の御研究に対し、英国王立協会から「チャールズ二世メダル」を授与される

平成11年(1999)11月 御在位10年を記念し、「天皇陛下御在位10年記念式典」開催

平成11年(1999)11月 国立公文書館平成11年秋の特別展「天皇陛下御在位10年記念公文書特別展示会」開催。天皇皇后両陛下が御来館され、展示をご覧になる

平成12年(2000)6月  香淳皇后崩御

平成13年(2001)9月  [アメリカ同時多発テロ事件発生]

平成13年(2001)12月 皇太子徳仁親王第一女子、敬宮愛子内親王殿下御誕生

平成14年(2002)5月  [FIFAワールドカップ日韓大会開催]

平成14年(2002)10月 [北朝鮮拉致被害者5名が帰国]

平成15年(2003)7月  北海道・有珠山噴火(平成12年)の被災地の復興状況を御視察

平成15年(2003)11月 奄美群島日本復帰50周年記念式典に御臨席

平成17年(2005)3月  日本国際博覧会開催(愛知県長久手町)。開会式に御臨場

平成17年(2005)6月  アメリカ合衆国自治領北マリアナ諸島サイパン島御訪問

平成17年(2005)10月 皇后陛下お言葉集『歩み』御出版

平成17年(2005)11月 清子内親王殿下、黒田慶樹様と御結婚

平成18年(2006)9月  秋篠宮文仁親王第一男子、悠仁親王殿下御誕生★

悠仁親王殿下を囲まれる秋篠宮御一家(宮内庁提供画像)

平成19年(2007)5月  皇居・吹上御苑で初めての自然観察会

平成19年(2007)10月 福岡県西方沖地震(平成17年)で被災した玄海島の復興状況を御視察

平成20年(2008)4月  日本ブラジル交流年、日本人ブラジル移住100周年にちなみ、日系ブラジル人が多く住んでいる群馬県を御訪問

平成20年(2008)7月  [アップルが日本でiPhoneを発売]

平成20年(2008)9月  新潟県中越地震(平成16年)で被災した旧山古志村(長岡市)の復興状況を御視察

平成20年(2008)9月  [リーマン・ショック]

平成20年(2008)12月 日本周辺に生息する2種類のハゼ、キヌバリとチャガラの系統および比較形態に関する天皇陛下の御論文を、秋篠宮殿下をはじめとする共同研究者によりオランダ発行の国際遺伝学雑誌「GENE」に発表される

平成21年(2009)4月  御成婚50周年を迎えられる

平成21年(2009)10月 国立公文書館平成21年秋の特別展「天皇陛下御在位20年記念公文書特別展示会」開催

平成21年、当館において天皇陛下御在位20年慶祝行事の一環として、秋の特別展「天皇陛下御在位20年記念公文書特別展示会」を開催。

 デジタル展示「天皇陛下御在位20年記念公文書特別展示会」

平成21年(2009)11月 天皇皇后両陛下、国立公文書館の特別展をご覧になる

特別展をご覧になる両陛下

平成21年(2009)11月 御在位20年を記念し、「天皇陛下御在位20年記念式典」開催

平成22年(2010)10月 平城遷都1,300年記念式典に御臨席

平成23年(2011)3月  東日本大震災発生。天皇陛下によるビデオメッセージ「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」が放送される。各被災地をお見舞い

左:津波の被害にあった岩手県沿岸地域(pixta) 
右:東日本大震災に伴う避難住民をお見舞いされる両陛下(宮内庁提供画像)

平成24年(2012)3月  東日本大震災1周年追悼式に御臨席

平成24年(2012)5月  英国女王陛下御即位60周年記念午餐会御臨席のため英国を御訪問

平成24年(2012)7月  長野県北部地震(2011年)被災者を御訪問

平成25年(2013)9月  [2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定]

平成26年(2014)2月  台風26号(平成25年)による被災地を御訪問(伊豆大島)

平成26年(2014)4月  [消費税が8%に増税]

平成26年(2014)4月  オバマ米国大統領歓迎行事に御臨席

平成26年(2014)7月  東日本大震災復興状況を御視察(宮城県)

平成26年(2014)12月 豪雨(8月)による被災地をお見舞い、地方事情を御視察(広島県)

平成27年(2015)1月  阪神・淡路大震災20年追悼式典に御臨席

平成27年(2015)3月  第3回国連防災世界会議開会式に御臨席、併せて東日本大震災復興状況を御視察(宮城県)

平成27年(2015)4月  戦後70年にあたり、戦没者慰霊のためパラオ共和国を御訪問

平成27年(2015)10月 関東・東北豪雨(9月)による被災地をお見舞い(茨城県)

平成28年(2016)5月  熊本地震(4月)による被災地をお見舞い

平成28年(2016)8月  「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」を御表明

大型スクリーンに映された、天皇陛下のお気持ちを表明したビデオメッセージ
(共同通信イメージズ)

平成28年(2016)10月 第71回国民体育大会に御臨席、併せて東日本大震災復興状況を御視察(岩手県)

平成29年(2017)5月  「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」を閣議決定

平成29年(2017)6月  「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」が参院本会議で可決、成立

平成29年(2017)10月 九州北部豪雨(7月)による被災地をお見舞い(福岡県・大分県)

平成29年(2017)12月 政府が退位日と改元日を正式決定

平成30年(2018)6月  第69回全国植樹祭御臨場、併せて地方事情御視察(福島県)

平成30年(2018)9月  豪雨災害(7月)による被災地をお見舞い(岡山県、愛媛県、広島県)

平成30年(2018)11月 平成最後となる秋の園遊会を御開催

平成31年(2019)4月  新元号の発表

平成31年(2019)4月  天皇陛下、御退位

平成31年(2019)5月  新天皇の御即位、新元号

 

知ってるようで意外と知らない!? 天皇陛下・皇族に関するQ&A

Q:天皇陛下はどんなお仕事をなさっての?

A:
憲法で定められた国事行為や、皇居・宮殿や全国各地で行われる様々な行事への御出席のほか、天皇皇后両陛下による福祉関係施設や被災地への御訪問などもあります。国際親善にも努められ、御即位後、28か国を公式に御訪問になっています。また、和歌や、昭和天皇から引継がれた稲作など、伝統文化も受け継がれています。

Q:皇族の方は何人いらっしゃるの?

A:
現在の皇族は、皇后陛下とその皇子である皇太子様、秋篠宮様それぞれの御一家、天皇陛下の御兄弟である常陸宮正仁親王の御一家、昭和天皇の御兄弟である故三笠宮崇仁親王の御一家など、17人で構成されています。なお、「天皇陛下と皇族方」のことを皇室と言い、天皇陛下は皇族には含まれません。

Q:「 〇〇宮」って何のことですか?

A:
「〇〇宮」様という呼び方には2種類あります。一つ目は、天皇と皇太子の子女だけにつける称号で、天皇陛下の皇子である秋篠宮様は「礼宮」、皇太子様の子女である愛子様は「敬宮」です。二つ目は、皇族の男子が結婚して独立するときに天皇から与えられる宮号で、「秋篠宮」「常陸宮」「三笠宮」などがあります。

参考:宮内庁ホームページ、池上彰『池上彰の「天皇とは何ですか?」』(2018.8)