展示会を見に行こう 国立公文書館の所蔵資料が見られる展示会を紹介します。

江戸の花だより

ようこそ、植物図譜の世界へ

 当館が建つ北の丸公園一帯では、秋から冬にかけて紅葉が見ごろになります。江戸時代の人々も、植物を通して四季の移ろいを楽しんでいました。十二月二十二日まで開催中の本展では、植物図譜を中心に、園芸書、名所図会なども取り上げ、江戸時代の人々の植物へのまなざしをご紹介しています。

 

庶物類纂図翼

庶物類纂図翼しょぶつるいさんずよく

幕臣の戸田祐之とだすけゆきが描いた薬草類の図集。1779(安永8)年に本書を幕府へ献上しました。1996(平成8)年には国の重要文化財に指定されています。掲載資料は「白菊」です。

古今要覧稿

古今要覧稿ここんようらんこう

幕臣で、書家・歌人・国学者・蔵書家としても知られる屋代弘賢やしろひろかたが編纂した百科全書。掲載資料は「根岸紅ねぎしこう」という品種名のサザンカです。

太田道灌と江戸

中世の江戸を創造した太田道灌の生涯に迫る!

 2017(平成29)年は、太田道灌が江戸城を築いた1457(長禄元)年から560年目にあたります。
 太田道灌は、扇谷上杉氏に仕え、1454(享徳三)年から約30年続いた関東の大乱である享徳の乱で活躍した武将で、和歌にも優れた知勇兼備の武将とも言われています。また、江戸城は、道灌が死んだ後も戦略上の拠点として重視され、やがて、近世には江戸幕府の本拠地となりました。
 本展では、当館所蔵の太田道灌に関連する資料を展示し、その生涯と道灌が生きた15世紀後半の関東の戦乱についてご紹介します。

 

庶長禄年中江戸図

長禄年中江戸図

道灌が江戸城を築いた当時の江戸の様子を描いたとされる絵図。1806(文化3)年の写。

太田家記

太田家記

道灌の子孫である掛川藩太田家の歴史を記した編纂記録。18世紀初頭に成立。

明治日本とふくいの軌跡

 福井県ふるさと文学館において、当館と福井県文書館・福井県ふるさと文学館との共催展示を開催します。
 本展では、当館で所蔵している、明治時代前期の重要な公文書に加え、福井ゆかりの人物や福井県の成り立ちに関する資料などを、福井県文書館・福井県立図書館等の所蔵資料と併せて展示し、明治時代前期の日本と福井の軌跡をたどります。

 

福井県ヲ置キ堺県ヲ廃スルノ件

福井県ヲ置キ堺県ヲ廃スルノ件

現在の福井県は、1881(明治14)年2月7日に設置されましたが、設置に至るまでには隣県を含めた合併・分割など紆余曲折の過程がありました。掲載資料は、「公文録(副本)」に収録されている、福井県の設置に関する布告案です。

民撰議院設立建白書

民撰議院設立建白書

1874(明治7)年1月17日に当時の左院に提出された建白書で、自由民権運動の先駆けとして知られています。福井藩出身の官僚・政治家である由利公正も、提出者の一人として携わりました。