アーキビストに聞く

私は大学院時代に国際政治学を研究する傍ら、講師として学部生・大学院生を対象としたレポート・論文の指導に従事していました。そんな折、大学院を修了する年に当館が職員を募集していることを知り、大学院で身に付けた調査研究能力を活かせるのではないかと思い応募しました。
 入館後は評価選別業務を担当しました。当初は覚えることの連続で、特に行政機関や独立行政法人等の職員を対象とした研修の講師をつとめた際は、とても緊張したことを今でも鮮明に覚えています。その後、調査研究業務担当を経て、現在は研修連携業務を担当しています。
 研修連携業務では、当館が主催する研修の企画・実施のほか、主担当として全国にある公文書館等との連携業務を行っています。例えば、当館では毎年、全国の公文書館の館長等が一堂に会し、共通のテーマについて協議する全国公文書館長会議を開催しており、その企画・実施を担当しています。また、新たに公文書館の設置に向けて準備を進める地方公共団体等からの求めに応じて当館職員を派遣して支援するなど、連携の内容は多岐にわたります。
 業務を行う際、特に意識していることは関係機関が何を実現したいのか、しっかりコミュニケーションをとりニーズを汲み取ることです。コロナ禍でオンライン会議が普及したことで遠方の方とのやり取りがスムーズになりました。その一方で、対面の場を設けることで、よりお互いの理解が深まることもあります。そのため、都度最適な手段を検討してコミュニケーションをとるよう意識しています。また、最近では、連携の対象も広がってきています。例えば、当館では現在、小・中・高等学校や大学・大学院等の教育機関とも連携を進めています。今後も連携の内容、手段、対象など様々な要素を踏まえ、連携の取組みを進めてまいります。
 当館も公文書館の一つとして、多くの方々からの支援や協力で事業が成り立っています。今後も全国の公文書館等との連携を進めるための架け橋となり、より積極的に連携を進めるとともに、機関同士の出会いや交流の場を提供していければと思っています。