アーキビストに聞く

私がアーキビストになったのは、偶然と言ってもいいかもしれません。大学院生のころ、国立公文書館で働いていた知人からお声がけをいただいたのがきっかけでした。
 最初に就いた業務は、海外の公文書館との交流業務でした。その後、行政文書の評価選別業務や地方の公文書館との連携業務に携わり、現在は所蔵資料の利用に関わる利用係を担当しています。
 当館の所蔵資料は、東京本館閲覧室で閲覧したり、その複写を申し込んだりすることができます。そのため、利用係では、閲覧室の管理運営や複写物の作成から提供までの進行管理を行っています。そのほか、所蔵資料を利用したいが探し方が分からないという方からの問合せ対応もしています。
 当館は、研究者の方だけでなく一般の方々もご利用いただける施設です。調べたい資料の検索をお手伝いしたり、お探しの資料が含まれているかもしれない資料をいくつか絞り込んでご案内しています。例えば、ご家族の歴史を調べている方の場合には、お話をうかがった上で、当館所蔵資料にご案内できそうなものがあると思われれば、人物の経歴を調べる際によく利用される資料をご案内します。また、当館ではなく他の公文書館等の所蔵資料に関すると思われるお問合せには、その資料を所蔵する機関を紹介するなど、利用者がスムーズに調べられるように努めています。そのため、ご案内した資料の中に探していたものがあったとのご報告を受けた際は、ホッとするとともに嬉しさがこみ上げてきます。私自身、過去に他館を利用した際、職員の方のアドバイスにより、探していた資料を見つけることができたことがあります。そうした経験から、利用者からの相談を丁寧に聞いて案内ができるよう常に心掛けています。
 国立公文書館の所蔵資料は、誰でもご利用いただけます。たくさんの方々に資料に出会う喜びを感じていただけるよう、今後も所蔵資料の利用のお手伝いをしていきたいと思います。