『安倍晴明記』は、平安時代中期の陰おん陽みょう師じ・安倍晴明の伝説を一代記として描いた仮名草子です。前半は晴明の先祖とされる阿倍あべの仲なか麻ま呂ろと吉備きびの真備まきびの入唐伝説を描き、後半は晴明と蘆あし屋や道どう満まんの対決を中心とし、史実に脚色を加えて、読んで楽しい物語となっています。本書は、青せい山ざん堂どう枇び杷わ麿まろ(江戸時代後期の狂歌師・本屋)の旧蔵書です。昌平坂学問所旧蔵、全1冊。