04. 廬山記
日本で元禄10年(1697)に刊行された『廬山記』です。本書には、『〔宋版〕廬山記』に附された地図がありませんが、代わりに「廬山」にまつわるエピソードを描いた挿し絵が収録されています。
「虎渓三笑」は、晋の慧遠(334〜416)のお話です。慧遠は、仏教の修行に専念するため「東林寺の前を流れる虎渓を渡らない」という誓いをたてました。ある日、慧遠のもとを陶淵明(365〜427、有名な詩人)と陸修静(406〜477、著名な道士)が訪れます。楽しい会合が終わり、慧遠は二人を見送るために虎渓の手前までやってきました。通常ならば、ここで二人と別れるのですが、会話に夢中になっていた慧遠は虎渓を渡ってしまいます。誓いを破ったことに気付いた慧遠は、陶淵明や陸修静らと笑い合ったといいます。昌平坂学問所旧蔵、全3冊。
【請求番号 292-0046】