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勲章の増設

各種ノ勲章等級製式及大勲位菊花章頸飾ノ製式ヲ定ム(勲章増設の詔) [請求番号: 類00341100]

 明治21年(1888)、功労のあった女性に授与される宝冠章、特別な功労者に授与される旭日桐花大綬章、国家または公共に対し功労のあった男性に授与される瑞宝章、諸外国の最高勲章に相当する大勲位菊花大綬章、さらに最高位の勲章として大勲位菊花章頸飾が増設されました。展示資料は明治20年に賞勲局が作成した上申書です。

 大勲位菊花章は我が国の最高位の勲章です。頸飾けいしょくの部分には、この勲章が制定された時の元号である「明」「治」の2文字を古篆字で飾り、菊の花と葉が配されています。

 瑞宝章のデザインは、古代の宝鏡を中心に大小16個の連珠を配し、八条の光線を付し、鈕には桐の花葉を用いています。

 宝冠章のデザインは、古代の女帝の冠を模した宝冠を中心に、周囲には真珠と竹枝、桜の花葉を配しています。ちゅうは古代宮廷女官の衣紋によったと言われる桐、牡丹、蝶、藤、杏、波紋を用いています。

 また、明治21年の勲章増設の勅令には、明治23年に創設され、武功抜群の軍人に授与された金鵄勲章の図も含まれています。金鵄勲章のデザインは、神武天皇の東征の際に、弓の端に止まった黄金色のトビ(鵄)が光り輝き、敵の武将である長髄彦ながすねひこの軍勢の目を眩ませたという神話に基づいています。昭和22年(1947)、金鵄勲章は「内閣官制の廃止等に関する政令」によって廃止されました。

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