夏の企画展

夏の特別企画展「岩倉使節団」

明治4年(1871年)、岩倉具視・木戸孝允・伊藤博文ら明治新政府のリーダーが、そろって横浜を出航。智識を世界に求めて1870年代初めの欧米を視察し、新しい国づくりに挑みます。
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リーフレット

中心は、『輿地新図』(明治7年)、周りは『特命全権大使米欧回覧実記』(明治11年)の挿絵などから。

使節団が行った条約改正の予備交渉、留守を預かった太政官との連絡、視察に伴う雑務書類など、帰国後にまとめられた公文書を紹介します。

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国書御委任状(米利堅合衆国大統領グラント閣下)(明治5年)

図5
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使節団の一行は、最初の訪問国であるアメリカ合衆国において、条約改正の予備交渉の方針を変更し、直ちに改正交渉に入ることを決定しました。この方針変更の承認と全権委任状の下付を求めるため、大久保利通と伊藤博文が一時帰国します。明治5年5月14日、条約改正を行う権限がある「国書委任状」の下付を受け、再渡米したのですが、結局改正交渉にまでは至らず、この国書委任状は用いられませんでした。

岩倉使節団報告書『特命全権大使米欧回覧実記』の銅版画挿絵原版(当館所蔵)、そして原版から新たに(1985年)プリントされた銅版画を、各国各地の実況報告とともに展示します。

図7

使節団が謁見したグラント大統領は、南北戦争(1861-1865)において、南軍のリー将軍と対した北軍の名将。1869年に第18代大統領に就任しています。

図8

挿絵:ヴェルサイユ宮のオペラ堂
普仏戦争(1870-1871)に敗れたフランスでは第三共和制が成立、初代大統領にティエールが就任します。1872年12月、使節団はティエール大統領に謁見しますが、「憲法は協議中にて当時未だ定まらず」という状況でした。

・資料保護の観点から,展示期間中に展示換え及びパネルでの展示を行います。
・常設展「明治日本-明治維新から大日本帝国憲法制定まで-」も同時開催中。
・国立公文書館アジア歴史資料センターホームページにおいて、インターネット特別展「公文書に見る岩倉使節団」も開催中です。(http://www.jacar.go.jp/iwakura/index2.html