平成24年度全国公文書館長会議報告
「東日本大震災に関する記録の保存等について−全国公文書館長会議アピール−」を採択


 国立公文書館では、平成24年6月8日(金)、東京都において、平成24年度全国公文書館長会議を開催しました。
 この会議は、公文書館法の円滑な運用及び歴史資料として重要な公文書の適切な保存・利用を図るため、国及び地方公共団体が設置する公文書館の館長等の参集を求め、全国の公文書館等が当面する諸問題についての協議を行うとともに、相互の緊密な連絡を図ることを目的として、平成元年から開催しています。
 今年度も、「国際アーカイブズの日」記念講演会と併せて開催しました。
 会議には、国及び地方が設置する公文書館、公文書館設置を検討している地方公共団体等から、115名が参加しました。
 会議では、「東日本大震災後の取組について」「公文書管理法施行後の取組について」の議題に関し、当館及び各公文書館等から報告を行いました。

東日本大震災後の取組について
 まず、東日本大震災後の取組について、当館から被災公文書等修復支援事業の実施について報告した後、陸前高田市からは被災公文書修復活動の概要について、石巻市から同市の被災状況及び被災公文書修復の取組について、神奈川県立公文書館からは陸前高田市における被災公文書レスキュー事業について、群馬県立文書館からは東日本大震災と群馬県の対応についての報告がありました。また、広島県立文書館及び広島大学文書館からは、災害等の発生時に伴う史・資料保護に関する相互協力協定について紹介がありました。
 その後、東日本大震災に関する記録を保存すること等の重要性を改めて訴え、全国の公文書館が共通認識を持って連携協力していくことを主旨とする「東日本大震災に関する記録の保存等について―全国公文書館長会議アピール―」 [別紙/PDF]が全出席者の賛同を得て採択されました。

文書管理法施行後の取組について
 次に、公文書管理法施行後の取組について、当館からの報告後、鳥取県立公文書館から公文書管理条例について報告があり、次いで大阪市公文書館から大阪市における利用の取組についての報告がなされました。さらに当館からアジア歴史資料センターの活動について紹介しました。
 最後に、平成25年度の全国公文書館長会議については、福岡県において開催することを申し合わせ、散会しました。
 なお、前日7日(木)午後には、全国公文書館長会議出席の実務担当者による意見交換会が行われ、各公文書館等から34名の参加がありました。主に、公文書等の利用及び利用制限、デジタル化などについて、活発な意見交換がなされました。

  • 石巻市の報告
    【石巻市の報告】
  • 陸前高田市の報告
    【陸前高田市の報告】
  • コメントする高山館長
    【コメントする高山館長】
  • 会場の様子
    【会場の様子】