今号のアーカイブ

安政見聞誌あん せい けん もん し

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蜻蝶譜

【請求番号:166-0534】

 安政2年(1855)10月2日の夜、江戸をマグニチュード6.9(推定値)の直下型地震が襲いました。震央は東京湾の北部と推定され、激震地域は本所・深川・浅草・下谷など江戸の下町。武士と町人を合わせて1万人前後の命が失われました。
 「安政見聞誌」は、仮 名垣魯文かながきろぶん(1829-94)が著した安政の江戸地震のルポルタージュで安政年間に刊行されました。全3冊。絵師は歌川国芳 うたがわくによし ほか。江戸各地の被害状況や地震の前兆(なまず の異変、磁石が磁気を失ったこと)など、貴重な情報が記載されています。
 画像は、浅草の被害状況で、浅草寺では五重塔の頂上部にある九輪 くりんが曲がったと記されています。

防災の日のポスターと災害対策基本法

【請求番号:昭55科技00071100/平11総02161100】

 昭和34年(1959)9月26日、紀伊半島の南端・潮岬しおのみさき に上陸した台風は、高潮により愛知県・三重県の伊勢湾沿岸を中心に大災害をもたらしました。死者・行方不明者約5千人に及ぶ伊勢湾台風は、室戸台風、枕崎台風とともに昭和の三大台風に数えられています。
伊勢湾台風から約1年後、防災意識啓発の目的から「防災の日」が定められました。9月1日を防災の日としたのは、同日が未曾有みぞう の大被害をもたらした関東大震災の発生日であることと、この頃が伊勢湾台風をはじめとした台風発生の多い、立春から210日目にあたることからでした。
さらに、伊勢湾台風から約2年後の昭和36年11月15日、災害対策基本法が制定されました。防災に関して国・地方公共団体・公共機関などの責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧など、災害対策の基本を定めています。
画像は、昭和36年の防災の日ポスターと災害対策基本法が公布された際の文書です。