19 福井地震

 福井地震は、昭和23年(1948)6月28日午後4時13分に福井平野東縁とうえん断層帯で発生したM7.1の地震です。
 地震により、地盤が脆弱ぜいじゃくだった福井平野では、国宝丸岡城をはじめとした多数の木造建築物が全壊しました。地震による家屋全壊数の多さを受けて、気象庁震度階級に「家屋の倒が30%以上に及び、山崩れ、地割れ、断層などを生じる」とする「震度7」が新設されました。
 また、昭和23年5月から実施されていたサマータイムにより地震発生時間が夕食の準備時間にあたっていたこと(夏時間では午後5時13分)などにより、約4千棟が焼失する火災が発生しました。さらに、九頭竜くずりゅう川流域では、地震により鉄橋の落下や堤防に亀裂や崩壊が生じるなどの被害がありました。この事が、地震から約1か月後の7月24・25日におこった集中豪雨時に、福井市内の6割が浸水するほどの大水害を引き起こす要因となりました。福井市は、戦時中市街地の9割が焼け野原になるほどの激しい空襲被害を受けていましたが、終戦から3年を経た復興期に、地震と洪水によって再び壊滅的打撃を受けることとなりました。
 福井地震は、昭和22年に制定された災害救助法が適用された最初の大規模災害でした。また、福井地震の被害調査結果が、昭和25年に制定された建築基準法における木造住宅の耐震基準設定に活かされることとなりました。資料は、福井地震における敦賀から富山までの北陸本線の被災状況を示した図と、建築基準法が昭和25年5月24日に公布された際の文書です。

福井地震の被害状況(昭和23 年6 月29 日午前6 時現在)
請求番号:平14 内閣00042100

建築基準法
請求番号:類03463100
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