展示会を見に行こう 国立公文書館の所蔵資料が見られる展示会を紹介します。

躍動する明治 -近代日本の幕開け- 明治150年

 平成30年(2018)は、明治元年(1868)から数えて満150年の年にあたります。明治前半期の日本は、欧米諸国の制度の導入による近代化、不平等条約の改正や大日本帝国憲法の制定など、政治・外交制度が大きく変わるとともに、様々な文化が花開く躍動感にあふれた時代でした。本展では、歴史の教科書や年表で目にする出来事を中心に、日本近代史の原点ともいえる資料を展示し、明治日本の歩みを振り返ります。

 

藩ヲ廃シ県ヲ置ク

藩ヲ廃シ県ヲ置ク

明治4年(1871)7月14日、廃藩置県の詔が発表されました。知藩事(江戸時代に藩を治めていた藩主など)は罷免され、政府が任命する府知事・県知事(のち県令)が各府県の行政を行うこととなりました。藩は全て府・県となり、日本全国で、3府302県となりました。画像は、廃藩置県の詔を収録した文書です。

大日本帝国憲法

大日本帝国憲法

明治22年(1889)2月11日、大日本帝国憲法が発布されました。同憲法のもとでは、天皇が国の元首として位置付けられ、法律の範囲内で、国民に居住の移転・言論の自由などが認められました。また、帝国議会が設けられ、司法権が行政権から独立したことにより、三権分立が定められました。画像は、大日本帝国憲法の公布原本です。

新橋横浜間鉄道之図(重要文化財)

新橋横浜間鉄道之図(重要文化財)

明治5年(1872)9月12日、明治天皇御臨席のもと、新橋・横浜両停車場で鉄道開業式が行われました。同駅間は当時29キロメートル、所要時間は53分でした。画像は、開業当時に描かれたとされる図面です。※9/22 〜10/5限定で原本を展示

つながる日本、つながる世界 -明治の情報通信-

 本展は明治150年関連の展示として、明治期の情報通信がどのように広がり、日本や世界をつなげていったのかを取り上げます。明治期には、郵便、電信、電話、無線通信が順次導入され、情報通信の近代化が進められました。当館所蔵の公文書を通して、明治期の情報通信の導入過程を描きます。また、情報通信に関連する人物やエピソードについてもご紹介します。

 

外波内蔵吉の叙勲

外波内蔵吉となみくらきちの叙勲

無線通信の有用性に着目した海軍は、明治33年(1900)、無線研究の必要性を訴えていた海軍中佐の外波内蔵吉を中心とした無線電信調査委員を組織し、無線電信機の開発を目指しました。外波らが明治36年に完成させた無線電信機は軍艦に搭載され、翌年に始まる日露戦争で利用されました。画像は外波の功績について書かれた書類です。

郵便切手端書封皮見本

『郵便切手端書封皮はがきふうひ見本』

明治4年(1871)から明治15年(1882)までに発行された切手、はがき、封筒の見本を貼り付けた資料です。画像は明治4年と明治5年に発行された切手を添付した箇所。これらは、日本で最初の切手です。額面の両側に龍をあしらったことから、「龍文切手りゅうもんきって」と呼ばれています。