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45. 字貫じかん

家治が将軍だった安永5年(1776)、長崎に入港した中国船の積荷の中に、前の年に中国(清)で刊行された『字貫』という字書(漢字の音韻や字義などを解説した書)がありました。

『字貫』は、『康煕字典』の内容を補うものでしたが、皇帝の名に用いられている文字は使用してはならないとする鉄則に反したことなどから、中国では乾隆42年(1777)に禁書とされ、著者の王錫侯は処刑、彼の著書はすべて焼き捨てられました。しかしわが国には焼却される前年にもたらされたため、わずか2部ながら、『字貫』が日本に現存しています。

展示資料は、そのうちの1部。豊後国佐伯藩主毛利高標(もうりたかすえ)の旧蔵書で、高標の没後、孫の高翰(たかなか)から幕府に献上された2万冊に含まれていました。現存するもう1部は、現在天理図書館が所蔵。やはり毛利高標の旧蔵書です。全40冊。

(請求番号:経048-0003)

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