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勲一等瑞宝章 [請求番号: 寄贈02112100]

 幕末から昭和を生き、「最後の元老」といわれた西園寺公望(1849~1940)が授章した勲章の数々をご紹介します。これらの勲章は昭和48年(1973)、西園寺家より当館へ寄贈された西園寺公望関係文書に含まれるものです。

 西園寺は徳大寺公純きんいとを父に持ち、陶庵などと号しました。西園寺家の養子となったのち、戊辰戦争に山陰道鎮撫総督として従軍。法律学を学ぶためフランスに留学し、帰国後、明治14年(1881)に中江兆民らとともに『東洋自由新聞』を発刊しました。第2・3次伊藤博文内閣の文部大臣、枢密院議長を歴任、第4次伊藤内閣では首相臨時代理をつとめました。明治36年に立憲政友会総裁に就任し、明治39年から明治44年まで、2回にわたって組閣します。首相を退いた後は、元老として内閣交代時に後継首相を天皇に推薦、政界に隠然たる力を持ちました。昭和期には、最後の元老として政党政治の健全な発展を目指しましたが、軍部の進出を阻止することができず、昭和12年、第1次近衛文麿内閣成立の後、後継首班推薦の任を辞しました。昭和15年、没。

 明治28年、西園寺の公務への積年の功労をたたえて勲一等瑞宝章が授与されました。

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