2017(平成29)年は、1867(慶應3)年に日本とデンマークの間に修好通商航海条約が締結されてから、150周年の記念の年にあたります。本展では、両国の交流の起点となった条約の原本をはじめ、日本及びデンマークの国立公文書館、デンマーク国立博物館、日本の外務省外交史料館等が所蔵する約80点の資料をもとに、150年にわたる日本とデンマークの友好の歴史を、7部構成でたどります。
デンマークの場所
日本とデンマーク展のみどころ
私は、日本とデンマーク展の広報担当の「マーメイドさん」です。日本とデンマーク展の情報やデンマークのことを色々な角度でご紹介します。見かけましたら「マーメイドさん!」と呼んでください!
日本とデンマーク展の展示は7つのコーナーから構成されています。 【第1部】日本とデンマーク  出会いから条約締結へ 【第2部】大北電信会社の海底ケーブル事業 【第3部】アンデルセン-いつも日本人の傍らに 【第4部】デンマーク酪農への情熱 【第5部】交流のさまざまな広がり 【第6部】皇室とデンマーク王室との交流 【第7部】現在身近にあるデンマーク
デンマークが日本の存在を認識したのは、1600年代初頭、デンマーク東インド会社が設立されたころに遡り、鎖国時代にもわずかながら日本とデンマークが接触する機会がありました。その後、1854(嘉永7)年の日米和親条約を皮切りに国を開いた日本は、1867(慶應3)年1月、デンマークとの間に修好通商航海条約を締結します。徳川幕府が外国と結んだ、最後の条約でした。明治政府は、1871(明治4)年11月から1873年9月にかけて、岩倉具視を特命全権大使としてアメリカやヨーロッパ諸国に使節団を派遣しました。その目的は、幕末に結んだ不平等条約改正のための予備交渉と、各国の視察及び交流でした。使節団一行は、1873年4月18日にデンマークに到着、19日に国王クリスチャン9世に謁見しています。日本・デンマーク両国に残る資料をもとに、デンマークと日本の出会いから条約締結、岩倉使節団のデンマーク訪問、条約改正について紹介します。

〈主な展示資料〉
● デンマークとの条約締結交渉のための全権委任状(1866) 国立公文書館蔵
● 日本・デンマーク修好通商航海条約(1867) デンマーク国立公文書館蔵
● 岩倉使節団が持参した国書委任状(1872) 国立公文書館蔵・重要文化財
●『米欧回覧実記』挿絵銅版 国立公文書館蔵
● 日本・デンマーク通商航海条約 批准書(1896)外務省外交史料館蔵
19世紀半ばから、欧米列強諸国は欧米間を電信で結ぶ計画に次々と取組み、各国の間で熾烈な競争が行われていました。デンマークは大北電信会社を設立し、ウラジオストック-長崎、上海-長崎間の海底ケーブル敷設を計画します。明治政府と交渉の末、1870(明治3)年に約定書を取り交わし、日本に初めて海底ケーブルを陸揚げしました。日本とデンマークの初めての共同事業である海底ケーブル事業について紹介するとともに、大北電信会社長崎支局のデンマーク人電信士等によって収集され、現在はデンマーク国立博物館に所蔵されている日本の古銭コレクションを展示します。

〈主な展示資料〉
● デンマーク国王に宛てた明治天皇親書(1870)
  デンマーク国立博物館蔵
● デンマーク公使シッキとの応接に関する文書(1870) 
  外務省外交史料館蔵
● 電信線路図(1887) 国立公文書館蔵・重要文化財
● クレブス及びブラムセンが収集した日本古銭コレクション
  デンマーク国立博物館蔵
日本で最も良く知られたデンマーク人は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンでしょう。明治期や大正期に出版されたアンデルセンの童話、1925(大正14)年に日本で行われたアンデルセン没後50年祭の記録などと共に、明治から大正にかけてアンデルセンを日本に広めた人々などを紹介いたします。デンマーク国立公文書館所蔵の、アンデルセンがイタリア旅行中に送った直筆書簡(1834)も展示する予定です。


〈主な展示資料〉
● アンデルセン直筆書簡(1834) デンマーク国立公文書館蔵
● 久留島武彦叙勲関係資料(1958) 国立公文書館蔵
● 巌谷小波叙勲関係資料(1926) 国立公文書館蔵
北海道の「酪農の父」と言われる宇都宮仙太郎と黒澤酉蔵は、デンマーク農業に注目、宇都宮は娘婿をデンマークに農業留学させたほか、北海道長官に働きかけて、調査員のデンマーク派遣や、デンマーク人模範農家2家族の北海道への招聘を実現させました。デンマークから酪農だけでなく、「独立自尊」の精神と組合の大切さを学んだ宇都宮と黒澤らは1925(大正14)年に北海道酪農販売組合(後の雪印乳業)を設立しました。大正から昭和にかけての、北海道から始まったデンマーク酪農への日本人の熱い思いを紹介します。


〈主な展示資料〉
● 模範農家としてデンマークから派遣されたイミール・フェンガの
  書簡2通(1926・1928) デンマーク国立公文書館蔵
● 出納陽一を農商務省海外実業練習生として推薦する文書(1921) 
  外務省外交史料館蔵
● 宇都宮仙太郎叙勲関係資料(1940) 国立公文書館蔵
● 平林広人叙勲関係資料(1927) 国立公文書館蔵
大正から昭和にかけて、学術文化やスポーツの分野で、デンマークとの交流が広がります。リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行を達成する前年の1926(大正15)年3月、コペンハーゲンから東京に飛来して大歓迎を受け、帰路の東京・ヨーロッパ間の飛行で新記録を樹立したポトヴェ大尉、若き日をコペンハーゲンの研究所で過ごした野口英世、昭和初期に日本に紹介され、現在まで受け継がれているデンマーク体操、1937(昭和12)年に家族と共に来日した世界的物理学者ニルス・ボーア、1957(昭和32)年2月、和歌山県沖で火災を起こした日本船の乗組員を救助しようとして、命を落としたデンマーク貨物船のクヌセン機関長等、忘れえぬデンマークの人々の足跡をたどります。

〈主な展示資料〉
● ポトヴェ叙勲関係資料(1926) 国立公文書館蔵
● デンマークの体操家ニルス・ブックの来日に関する文書(1931) 
  外務省外交史料館蔵
● ニルス・ボーア叙勲関係資料(1937) 国立公文書館蔵
● クヌセン叙勲関係資料(1957) 国立公文書館蔵
● 大阪外国語大学デンマーク語科設置に関する文部省原議(1965)
  国立公文書館蔵
1886(明治19)年、伏見宮貞愛ふしみのみやさだなる 親王が日本の皇族として初めてデンマークを訪問して以来、日本とデンマークの皇室は、親密な交流を続けています。1930(昭和5)年3月の皇太子フレデリック(後のフレデリック9世)の来日、1963(昭和38)年12月のマルグレーテ王女(のちのマルグレーテ2世女王)の初来日、1971(昭和46)年9月の昭和天皇・香淳皇后両陛下のデンマーク訪問、2011(平成23)年6月のフレデリック皇太子の東日本大震災被災地訪問などを取り上げ、関係する写真や公文書等を展示します。
このコーナーでは、芸術文化、ライフスタイル、産業などの各分野における日本とデンマークの交流、デンマークとゆかりの深い日本企業、日本に進出しているデンマーク企業など、現在身近にあるデンマークをパネルで紹介します。