11月4日の政府声明の「教育制度の刷新に関する事項」には、「義務教育の充実」の項目に、「義務教育年限の再検討」が掲げられています。
日本に民主的な教育制度を確立させるための具体的方策を求めるために、総司令部は米本国に対日米国教育使節団の派遣を要請します。来日した米国教育使節団は約1ヶ月の滞在を経て、昭和21年3月30日、マッカ−サ−に報告書を提出しました。また、日本側には米国教育使節団を受け入れるための日本側教育家委員会(委員長南原繁東京帝国大学総長)が設けられ、その日本側教育家委員会の報告書も残されています。このいずれにも、義務教育年限の延長が報告されています。
なお、義務教育年限は、昭和12年の教育審議会答申においてすでに延長(義務教育8年)が答申され、昭和16年の国民学校令では義務教育年限の2年延長が規定されていましたが、戦争のためにその実施が延期されていた経緯もありました。