07 関東大震災Aー地震発生時の政府の対応ー

 震災時の首相となる山本権兵衛ごんべえは、8月24日の加藤友三郎ともさぶろう首相病死の後、同月29日に組閣の大命を受け、震災当日は築地の海軍省将校クラブ水交社で組閣人事を行っていました。山本新内閣は、9月2日に成立しましたが、首相不在の間、臨時首相として震災発生時の緊急対応を行ったのは前外務大臣内田康哉でした。内田首相臨時兼任は、震災の救援物資の緊急調達を意図した非常徴発令(勅令第396号)、震災事務を司どる臨時震災救護事務局官制(勅令第397号)、戒厳令(勅令第398号)を発し、震災時の対応にあたりました。
 9月2日夜に発足した山本内閣は、翌日の皇室からの救済金下賜かしと「官民が協力して適宜応急の措置を為し、遺憾なきを期すように」との御沙汰を受け、同月4日閣議において、食糧や物資の確保、被災者の収容、負傷者の救護、自警団の取締、経済の混乱防止策などに対する方針を決定しました。また、同日内閣告諭こくゆ(第1号)を発し、震災による混乱の収束と人心の安定を目指しました。資料は、組閣直後の山本内閣が緊急的に定めた震災対策方針です。

震災ニ付テノ処置ヲ為スコトノ件(大正12 年9 月4 日)
請求番号:別00231100
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