天保14年(1843)4月の徳川12代将軍家慶の日光社参の行程を示した道中図です。4月13日に江戸城を出発し、13日岩槻、14日古河、15日宇都宮に宿泊しています。岩淵から鳩ヶ谷を経て岩槻までは日光御成街道を、幸手から宇都宮を経て日光までは日光街道をたどっています。岩槻・古河・宇都宮の宿泊地のほか、休憩所が金色の丸印で記されています。 絵図には、関所・一里塚・郡境・国境のほか、村名ごとに領主の記載があるほか、街道を往来する人々の姿や沿道の風景が細かな筆で描かれています。 「明治十四年購求」の印から、内務省が明治14年(1881)に購入したものであることが判ります。初日の宿泊地の岩槻城が、地図に書き込まれています。原図サイズ:長さ1329cm x 紙幅25.6cm