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8世紀から10世紀の初頭にかけて、律令国家としての体制を整備した天皇を中心とする政府は、国史の編修に力を注ぎました。その成果が『古事記』と「六国史」です。
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鎌倉時代には『吾妻鏡』が、江戸時代には『本朝通鑑』が編纂されるなど、修史事業が盛んに行われました。諸藩の修史事業では、水戸藩の『大日本史』の編纂がよく知られています。
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漢文体で書かれた従来の国史の簡潔で堅苦しい記述に飽き足らなかった作者たちによって、『栄花物語』『大鏡』など仮名文の物語風の歴史書が生み出されました。
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『平家物語』は、各種芸能、文学に大きな影響を与えました。『平家物語』をもとに創作された物語は、語られ演じられ書写されることで様々に変化し、新たな物語も生まれました。
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『太平記』は、歴史書の性格の強い軍記物語です。のちに江戸時代に歌舞伎や講談等の題材となったばかりでなく、明治以降は国民教育の素材としても用いられました。
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応仁の乱より150年余りの間、多くの民衆が戦禍に巻き込まれるなど、戦乱が続きました。ここでは、アニメでもゲームでもないリアルな戦国の世界をご紹介していきます。
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実力本位で血なまぐさいイメージの漂う戦国時代。しかし、人知を越えた出来事に人々は驚愕し、神や仏にもすがりました。ここでは戦国の精神世界についてご紹介しましょう。
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戦国武将たちの華麗なる武勇が賛美される一方、近年では、戦国の女性達の姿にも光が当てられるようになりました。戦国を生きた女性たち。その実態をご紹介したいと思います。
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如何にして歴史的な事柄が脚色され物語として形成されていったのか。どのような資料をもとに話が創られているのか。豊臣秀次、徳川家康、お江の3人を事例にご紹介します。
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ある歴史的事象の記述や評価は、時代の変遷とともにどのように変化していくのでしょうか。幕府の主要資料の中から紹介しましょう。
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「正史」に記載された実在の人物が、物語の主人公として語り継がれていく過程で、「正史」からは想像もできない変化が生じ、「四大奇書」へと結実しました。
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学問を好んだ市橋長昭は、宋版・元版の漢籍を数多く所蔵し、その蔵書中から厳選した宋元版30部を湯島聖堂に献納しました。そのうち21部を当館が所蔵しています。
今回のテーマは、「歴史と物語」。 古代から近世にかけて朝廷や幕府が編纂した正史とあわせて、歴史を彩るエピソードに富む軍記物や歴史物語の数々を紹介。歴史編纂に注いだ古人の努力を振り返るとともに、庶民が歴史に求めたロマンに光をあてます。
※本デジタル展示は、国立公文書館創立40周年記念貴重資料展I「平成21年春の特別展 歴史と物語」を再構成したものです。
