メキシコ・プエブラ市のパラフォシアナ図書館とプエブラ市公文書館を訪問して

国立公文書館 統括公文書専門官室
公文書専門員 渡辺悦子

はじめに

地震による被害を受けたプエブラ歴史地区の建築

地震による被害を受けたプエブラ歴史地区の建築

 2017年9月19日にメキシコ中部を襲ったマグニチュード7.1の地震は、建物の倒壊や多数の死者を出すなどの大きな被害をもたらした。同年11月、首都のメキシコシティで諸外国のアーカイブズ機関関係者が一堂に会する国際公文書館会議(International Council on Archives、以下「ICA」という。)年次会合が開催された機を捉え、国連教育科学文化機関(以下「UNESCO」という。)メキシコ事務所はメキシコの記録遺産の被害調査及び保存修復にかかる専門的助言を仰ぐため、同会議に出席する専門家に呼びかけ、UNESCO「世界遺産」や「世界の記憶」に登録される歴史的建造物・記録遺産をかかえるプエブラ州プエブラ・デ・サラゴサ市(以下、「プエブラ」という。)に調査団を派遣し、日本からは陸前高田市博物館主任学芸員の熊谷賢氏と筆者が同行した。
被災調査の詳細はUNESCOの公表が待たれるところであるが、本稿では調査団の一員として訪問したパラフォシアナ図書館[1]及びプエブラ市公文書館[2]の視察を通して知見を得た、メキシコにおける国・地方におけるアーカイブズ管理の近年の取り組みを紹介する。

1. メキシコのアーカイブズ管理制度

1.1 アーカイブズ管理制度の概観

 まずは、メキシコにおけるアーカイブズ[3]管理制度について概観してみたい。
 メキシコはアメリカと同様に合衆国制をとる国家で、行政府は連邦政府(中央政府)、州政府、地方(基礎自治体)政府に分類される。アーカイブズ管理は各レベルの政府が定めた法に基づいて行われることとなっており、それぞれに制度上の上下関係はない。
 メキシコでは、アーキビスト専門職養成機関の設立は比較的早かったが[4]、「透明性や情報のアクセスツールとしてアーカイブズが認識されるようになったのは近年のこと」であり、記録は長らく、系統立てて整理されるものというよりは文書の集積に過ぎなかったという[5]。アーカイブズ管理の法整備が急激に進んだのは、21世紀に入ってからである。「連邦政府情報の透明性とアクセスに関する連邦法[6]」が2002年に制定され、連邦政府記録の適切な管理の必要性が言及された後、2007年修正のメキシコ革命憲法[7]では、各レベルの政府が行政府の運営の一環として、公文書館の設置と公文書の保存・公開が義務づけられた[8]。これに続き、連邦政府記録のライフサイクルに沿った体系的管理を定める法として、2012年に「アーカイブズに関する連邦法(以下、「連邦法」という。)[9]」が成立した。本法は、大統領府、連邦議会(上・下院)と連邦裁判所を含む連邦政府機関を範囲とするものである。よって、州や基礎自治体政府がアーカイブズ管理に関する法を制定する際には、連邦法と利益相反しないよう、また必要な場合は互いに関連しあうよう策定するよう求められている。
 このような法の整備が進められる一方で、州政府においては多くが各州における管理法を制定したものの、未制定の州政府も未だ存在しており、また2,500以上ある地方政府に至ってはさらに課題は大きく、全国的なアーカイブズ管理にかかる法と公文書館の整備には至っていないとのことである。

1.2 連邦法とメキシコ国立公文書館の役割

 連邦法によると、連邦政府が作成した記録は短期保存文書(baja documental)と呼ばれる定型業務の過程で作成され行政機関により廃棄される文書以外は、「中間書庫(archivo de concentracion)」へ移管(第1次)された後、「歴史公文書館(archivo historico)」との合意をへて、歴史的に重要なものが当該公文書館へ移管(第2次)される。各省庁は現用文書の管理と第1次移管を行う「文書管理室(archivo de tramite)」と中間書庫を設置しなければならない。最終的な移管先である歴史公文書館は省庁独自に設置することもできるが、大部分の省庁における歴史公文書館に相当するのが、メキシコ国立公文書館(Archivo General de Nacion、以下、「AGN」という。)である[10]。AGNは内務省の一機関として位置づけられている。
 AGNの国内のアーカイブズ管理における役割は大きい。例えばメキシコでは連邦法の下、国内の各レベルの公文書館だけでなく、民間のアーカイブズ機関を含めた諸機関がネットワークを形成し、協力して記録の管理・保存・利用にあたる全国アーカイブズ制度(Sistema Nacional de Archivos、以下、「SNA」)の枠組みが定められている[11]。この体制を統合的に管理し、アーカイブズ管理に関する方針や記録管理・記録遺産保護にかかるガイドラインを策定するのが全国アーカイブズ評議会(Consejo Nacional de Archivo)であり、その議長はAGN館長と定められている[12]。また、国の歴史に関わる記録の継承のため、メキシコの記録遺産として宣言されたアーカイブズは、当該資料を保存する機関の官民を問わず、統一的に保存・管理するアーカイブズ登録制度(Registro Nacional de Archivos Historicos)を設けており、その登録簿はAGNが管理している[13]。本制度により登録されたアーカイブズは連邦政府の資金補助やAGNによる保存にかかる技術的助言を受けられる代わりに、毎年管理に関する状況を報告しなければならないことになっている[14]。

1.3 アーカイブズ一般法(Ley General de Archivos)

 2017年12月12日、アーカイブズ一般法[15](以下、「一般法」という。)が連邦議会代議院(下院)を通過した。本法は、連邦機関や各レベルの政府機関、また連邦・州・地方政府等から公的資金を受ける個人や組織が作成・管理する、全ての公的記録について均一な保存・管理を行うための原則と基準を策定するもの[16]とされている。法の策定にあたっては、各レベルの政府における記録の作成・保存状況に関する広範囲の調査が実施されている。
 この一般法がこれまでの連邦法と一線を画したのは、その適用範囲が国全体の公的機関に対象が広げられることになっただけでなく、SNAの組織と機能の決定にかかる部分とされている。本法では、歴史的、社会的、文化的、科学的、技術的に国の歴史に関わる民間所在のアーカイブズの保護と普及、利用の促進を目的に、SNAが管理責務のある者による均一なアーカイブズ管理を全うするための組織構造・機能的関係、方向性、標準、手段、手続き、サービスにかかる有機的な枠組みであることが明確化された[17]。そして、これにより、国のアーカイブズ機関は、州、地方や民間全てのアーカイブズ機関と一つの枠組みで協力・連携することになるという。
 今後、連邦議会元老院(上院)の通過を待ち、2019年の施行をめざすこととなっている。施行のあかつきには、既存の各州における公文書管理にかかる州法の改訂や、連邦法との共存関係をどうするかなど課題も多いとのことだが 、今後の動きが注目されるところである。

2. プエブラ州プエブラ・デ・サラゴサ市

プエブラ市内の歴史地区

プエブラ市内の歴史地区

 続いて、今回訪問したプエブラの概略を紹介する。
 プエブラはメキシコ合衆国を構成する32の州の一つ、プエブラ州の州都である。1531年、メキシコ湾に面するベラクルス港とメキシコシティの中間に位置する、先住民の住んでいない未開拓の地[19]に、戦略的・計画的に建設された町で[20]、「ヌエバ・エスパーニャNueva Espana」と呼ばれたスペイン帝国副王領(virreinato)の第2の町として栄えた。19世紀初頭のメキシコ独立革命時には、周囲に濠をめぐらし町全体を要塞化して闘うなど、独立に大きな役割を果たしただけでなく[21]、1862年のナポレオン3世によるメキシコ出兵では、町の郊外で火ぶたを切った「プエブラの会戦」(同年5月5日)で、当時世界最強と言われたフランス軍を打ち破った。この時軍を指揮したサラゴサ将軍の名が、現在の市の名に掲げられている[22]。1987年には、16世紀~17世紀の植民地時代の町並みが残る市の中心部のプエブラ歴史地区がUNESCO「世界遺産」に指定されている[23]。
 以下では、調査団が視察したパラフォシアナ図書館とプエブラ市公文書館の概要とそれぞれの施設におけるアーカイブズ管理の取り組みを紹介する。

3. パラフォシアナ図書館の取り組み

3.1 図書館の概要

 パラフォシアナ図書館(Biblioteca Palafoxiana)は、スペイン本国から派遣された司教ホアン・デ・パラフォックス[24]が、1646年9月に5,000冊に及ぶ蔵書をプエブラ聖堂に隣接するサン・フアン神学校に寄贈したことにはじまる図書館である。神学、哲学だけでなく物理や数学、地学などの多様な図書は、神学校の生徒だけでなく広く一般にも開放することを条件に寄贈されたことから、アメリカ大陸における最初の公共図書館とされている[25]。
 現在の建物は、パラフォックスの蔵書寄贈から約100年後の1773年、フランシスコ・ファビアン司教[26]により、彼自身の蔵書コレクションを追加して建造されたものである[27]。壁面に3層にわたってもうけられた書架が並ぶ部屋は特に「歴史図書館」と呼ばれ、所蔵される書籍は41,000冊に及ぶ。1981年、メキシコ政府により歴史的建造物の指定を受け、2005年には蔵書がUNESCO「世界の記憶」に登録されている。

パラフォシアナ図書館入口

パラフォシアナ図書館入口

パラフォシアナ歴史図書館内観

パラフォシアナ歴史図書館内観


3.2 被災状況調査と修復プロジェクト

所蔵資料の観察と修復・保存にかかる処置の検討を行う調査団メンバー

所蔵資料の観察と修復・保存にかかる処置の検討を行う調査団メンバー

 メキシコ中部地震(2017年9月19日)により被害を受けた歴史図書館の天井部の破損の修繕を行う過程で、天井倒壊に伴う水損被害だけでなく、経年劣化[28]によって相当数の図書が破損・汚損していることが判明した。天井部の修復は、訪問時(同年11月)にはすでに完了していたものの、最上層に配架された図書の痛みが激しく、原状回復にあたって今後大規模な修復プロジェクトを立ち上げる予定となっている。
 歴史的建造物に指定された建物であることから、環境の改善にかかる方策は限られているため、調査団からは温湿度チェックと清掃をこまめに行うことで、起こりうる不測の事態に迅速に対応できるよう備えること等の助言がなされた。
 2018年2月以降に、修復の専門家を雇用して開始される予定の修復プロジェクト実施に対する助言としては、洗浄や修復に使用する各種機材のレイアウトや、修復を優先すべき図書の選別が行われた。またカビや破れ、装丁の破損、伸縮を繰り返したためしわのよった羊皮紙などの、各種の損傷個所に対する修復の方法を検討するレポートが作成された。さらに、将来的に外部の専門家となってもらえることが期待できるため、プロジェクトには大学院生などのインターンを積極的に受け入れることが推奨されていた。

3.3 図書館アーカイブズの資料整理プロジェクト

パラフォシアナ図書館には、地図や手稿、新聞記事などを所蔵するアーカイブズ施設もあり、主に研究者を中心とした利用者に公開されている。2012年、これら資料の箱入れを行うプロジェクトが、メキシコ国立公文書館の協力により行われており、一連の作業は第1章で述べたSNAの枠組みによるパイロットプロジェクトの一環であったという。これにより約5,000点の資料が、長期保存に適した標準に基いた容器への整理・収納を完了している。

中性紙箱の容器が整然と並ぶ図書館アーカイブズ収蔵庫内

中性紙箱の容器が整然と並ぶ図書館アーカイブズ収蔵庫内

中性紙箱の中におさめられた記録は、さらに中性紙で丁寧に梱包されている。

中性紙箱の中におさめられた記録は、さらに中性紙で丁寧に梱包されている。


4. プエブラ市公文書館

4.1 プエブラ市公文書館の概要

 プエブラ市公文書館は、プエブラ市政府の記録を保管する機関であり、メキシコ史及びラテンアメリカ史に関わる480年以上にわたる様々なアーカイブズを保管している。
 公文書館の建物は市庁舎(Palacio Municipal、1714年建造)内に設けられた本館と、2014年にジェンキンス財団[29]の資金援助を受けて郊外に建設された、旧セメント工場(Antigua Cementaria)を改築した新館がある。新館の収蔵庫は二層構造の建物となっており、4つの収蔵庫に分かれ、内部は収蔵する資料に合わせて一定の温度と湿度に保たれている。新館敷地内には中間書庫も所在する。
 所蔵資料は、市庁舎内の収蔵スペースに書架延長225メートル、新館には1,142メートル、合計約1,400メートル(17,781件)の記録が保管されている。最も古い所蔵資料は1532年にさかのぼるもの[30]で、UNESCO「世界の記憶」に登録される資料群の他、死亡・誕生、法律、財務等プエブラの歴史にかかる貴重な情報を含んだ、16世紀から20世紀にわたる資料を所蔵している。
 閲覧者が希望する大部分の記録は市庁舎内本館に保管されているため多くの利用者は市庁舎館を利用する。新館に閲覧者はほとんど来ないが、来館した場合は写真整理作業を行う部屋を便宜的に閲覧スペースとして提供しており、閲覧室整備を行う必要がある。なお、市庁舎内本館と新館の間では、利用者の閲覧にかかる互いの所蔵資料の移送サービスは行われていない。

市庁舎の一角にある応接スペースに排架される資料。左手奥にみえる空間が収蔵スペースとなる。

市庁舎の一角にある応接スペースに排架される資料。左手奥にみえる空間が収蔵スペースとなる。

旧セメント工場を改築した新館。後方に見えるサイロ型建築物は事務室/整理室/図書室に改築されている。

旧セメント工場を改築した新館。後方に見えるサイロ型建築物は事務室/整理室/図書室に改築されている。


4.2 プエブラ市におけるアーカイブズ保存の課題

 市庁舎内本館には、プエブラの歴史にかかる重要な資料が収蔵されている一方で、庁舎自体が歴史的建造物であるがゆえに資料保存に適した環境が整えられておらず、市庁舎への来賓を迎える応接室内にも資料自体がある種の「装飾」として配置されている状況であった。このような保存環境の中で特に羊皮紙の資料に顕著だったのが、表紙及び本紙のゆがみ(波うち)であり、雨季の湿気と乾季の乾燥の繰り返しによるダメージを経年受けているように見受けられた。建物に対する環境改善が難しいことから、世界遺産登録資料については新館での保存が望ましいことが調査団から提言されたが、利便性などの理由から方策が進んでいないとのことであった。
 プエブラ市の公文書管理にかかる課題として、新館の案内をしてくださったプエブラ市公文書館のLucero Alvarez氏によれば、プエブラ市では明確な保存期間を定めた規則が確立していないため、歴史公文書館への移管がスムーズに行われておらず、シリーズとして比較的完成されているもののみが主な対象となっている状況とのことであった。近年になり歴史的なアーカイブズの保存にかかる関心と保護のための法整備は整いつつあるものの、行政文書の適切な管理・保存・公開にかかる取り組みは進んでおらず、全てのアーカイブズに対するバランスのとれた取り組みが必要であるとの指摘があった。
 さらに、メキシコでは、アーキビストの人材養成が専門職としても技術職としても行き届いていないことが最大の課題であるという。公文書館関係者や記録作成にあたる行政機関関係者に、研修やワークショップを行う機会を設けているものの、応急措置としての役割しか果たせておらず、過去20年間でアーカイブズ学を教える教育機関は3つ設立されたが、問題解決に至っていないと感じておられた。アーキビスト養成機関の一つである国立司書・アーキビスト専門学校(Escula Nacional de Bibliotecarios y Archivistas)が現在オンラインで学位が取れるコースの提供を始めており、これが専門家養成の一助となることを祈っているとのことであった。

新館敷地内にある中間書庫

新館敷地内にある中間書庫

中間書庫内部。右手前は案内いただいたLucero氏。

中間書庫内部。右手前は案内いただいたLucero氏。


おわりに

 メキシコのアーカイブズ管理にかかる法整備の発展は、情報公開法に始まり中央政府記録の管理を整備する方向へ進むという、我が国と似た部分がある。その一方で、国・州・地方政府における法整備や、公文書館の設置を義務付け、また国における様々なレベルの政府が一つの枠組みで歴史的記録の保全に取り組もうとする新しい法の成立など、一歩踏み込んだ取り組みも見られた。
 本視察に先立つICA年次会合において、メキシコのアーカイブズ関係者による発表では、汚職の蔓延や冤罪の防止等に切実な課題を抱えるメキシコ社会がたびたび指摘されていたが、そのような状況の中、この国が民主主義の根幹であり政府の説明責任、情報の透明性とアクセスを促進するアーカイブズ管理について「世界クラスの」[31]法を整備しようとしていることの意義は、われわれが想像する以上に大きいのではないか。とはいえ、この法を実施していくにあたっては、プエブラのようなメキシコでは先進的地域にあたる基礎自治体レベルの公文書館でも、現況として多くの課題を抱えており、関係者はみなメキシコの歩みは始まったばかりだという。メキシコの新しい取り組みを、今後も注目していきたい。

*本稿執筆にあたっては、AGNのAnabell Garcia氏、プエブラ市公文書館のLucero Eugenia Alvarez Castro氏には、忙しいなか貴重な情報をご提供いただいた。ここに心からの謝意を表したい。

[1] 2005年、UNESCO世界の記憶に登録。available at: http://www.unesco.org/new/en/communication-and-information/memory-of-the-world/register/full-list-of-registered-heritage/registered-heritage-page-1/biblioteca-palafoxiana/ (access:2018/4/9)
[2] UNESCO世界の記憶(ラテンアメリカ・カリブ地域)に登録(2015)の記録遺産を所蔵。available at: https://mowlac.wordpress.com/2015/10/29/relacion-de-postulaciones-2015-list-of-applications-2015/(access:2018/4/9)
[3] 本稿における「アーカイブズ」は公的・民間の作成・管理を問わず歴史的な記録資料全般をさすものとする。
[4] 国立司書・アーキビスト専門学校(Escula Nacional de Bibliotecarios y Archivistas)で1943年の設立。
[5] Luis Torres Monroy ‘A proposito de la Iniciativa de Ley General de Archivos 2016’ available at: http://www.iisue.unam.mx/boletin/?p=4800 (access : 2018/4/9)
[6] Ley Federal de Transparencia y Acceso a la Informacion Publica Gubernamental. Available at: http://www.kas.de/upload/auslandshomepages/medioslatinos/mexico/mexico_ley_de_transparencia_
y_acceso_a_la_informacion_publica_(2002).pdf
(access:2018/4/9)。なお2015年には一般法(Ley General de Transparencia y Acceso a la Informacion Publica)も成立している。
[7] Constitucion Politica de los Estados Unidos Mexicanos. Available at: http://www.diputados.gob.mx/LeyesBiblio/pdf/1_150917.pdf (access:2018/4/9)
[8] 同憲法第6条第5項「本法の義務を負うものは、その文書を行政アーカイブズで保管し、公開しなければならない」とする。原文は、”Los sujetos obligados deberan preservar sus documentos en archivos administrativos actualizados y publicaran,[…]”。なお本条文は2014年にも改訂があった。
[9] Ley Federal de Archivos。available at: http://www.diputados.gob.mx/LeyesBiblio/pdf/LFA_190118.pdf (access:2018/4/9)
[10] 以上、連邦法14、15、16条。
[11] 連邦法第39条及び40条。このような国立公文書館を中心に各レベルの政府及び民間アーカイブズがネットワークを形成して記録保存にあたるというSNA体制はペルー、コロンビア、コスタリカ等、ラテンアメリカ諸国でしばしば見られる。
[12] 連邦法第35条第1項
[13] 連邦法第49条。
[14] 連邦法第51条。
[15] Ley General des Archivos. Available at: http://www.senado.gob.mx/sgsp/gaceta/63/3/2017-12-13-1/assets/documentos/Dictamen-LGA-12dic17.pdf (access: 2018/4/9)。
[16] 発表された法には、法策定イニシアチブによる調査に基づく意見書が、全117条の条文の前に数百ページにわたって付されている。
[17] 同64条。
[18] プエブラ市公文書館のLucero Alvarez氏のご教示による。
[19] これまでスペイン帝国による植民地は、先住民が築いた都市を破壊した上に構築されることがほとんどであった。
[20] Archivo General Municipal de Puebla(2017),“485 Anos de Historia en el Archivo General Municipal de Puebla” p.29より。なお、州及び市の名称にある‘Puebla’の原形。puebloはスペイン語で「町」を意味する。
[21] 前掲、注20、p.42参照
[22] 前掲、注20、p.41参照
[23] Historic Centre of Puebla。UNESCO World Heritage Listより。Available at: http://whc.unesco.org/en/list/416 (access: 2017/4/9)
[24] Juan de Palafox y Mendoza(1600-1659)。1642年にはヌエバ・エスパーニャ副王領総督も務めた行政官であり、プエブラ在任期間中には、他にプエブラ聖堂の建設やサン・フアン神学校(メキシコ王立大学)の整備も行っている。
[25] MEMORY OF THE WORLD REGISTER NOMINATION FORM “Biblioteca Palafoxiana” (available at: http://www.unesco.org/new/fileadmin/MULTIMEDIA/HQ/CI/CI/pdf/mow/nomination_forms/
mexico+palafoxiana.pdf
,access:2018/4/9)
[26] Francisco Fabian y Fuero(1719-1801)。
[27] 前掲、注25参照。
[28] メキシコは雨季と乾季を半年ごとに繰り返す気候で、また朝晩の気温の変化も激しい。
[29] ジェンキンス財団は、アメリカから移住し統治に綿織物工場を立ち上げて成功したジェンキンス夫妻が、メキシコの人々の生活向上のため1954年に立ち上げた財団。http://fundacionjenkins.com/(access:2018/4/9)。Lucero Alvarez氏によれば、メキシコでも文化財保護等にかかる寄付は税金控除の対象となるものの、このような文化施設に対する寄付は非常にめずらしいことだったとのことである。
[30] 1532年11月18日付のスペイン・イザベラ女王から、聴訴官(oidor、殖民領で司法・行政・立法を司った聴訴院長官の下に置かれた)ホアン・デ・サルメロンに充てられた新都市建設にかかる指示書。
[31] 前掲、注5。Luis Torres Monroy ‘A proposito de la Iniciativa de Ley General de Archivos 2016’参照。