第5回ICA年次会合等参加報告



 2018年11月24日(土)から30日(金)まで、国際公文書館会議(International Council on Archives, ICA)の第5回年次会合がカメルーンの首都ヤウンデで開催されました。ICA年次会合は、運営会合、専門家プログラム、国立公文書館長フォーラム等で構成される、4年ごとのICA大会が開催される年以外の年に開催される会合です。 今回は、アフリカ地域で開催される初めての年次会合で、アフリカ諸国を中心とした70か国から500名を超えるアーカイブズ関係者が参加しました。
 >> ICAヤウンデ年次会合サイトはこちら(英語)


1.専門家プログラム


専門家プログラムのテーマは「アーカイブズ:ガバナンス、記憶、遺産」で、「全アフリカの課題」「記憶をアーカイブする」「遺産に取組む」「民主主義のためのアーカイブズ」「アクセスにおける革新」等のサブテーマで29の分科会や円卓会議、7つのワークショップが行われました。 また、専門家プログラム後には、アフリカ地域からの参加者に限った、アーカイブズにおけるデジタル技術にかかる研修プログラムが2日間にわたり開催されました。
 >> 次会合専門プログラムはこちら[PDF](日本語)

 分科会「遺産に取組む:クラウドソーシングと地域共同体との関わり」では、当館の寺澤上席専門官が「国立公文書館における新たな取組みとしての積極収集―明治期の記録保全と提供に係る事例報告」と題して発表を行い、 当館の所蔵資料を補完・補強するための取組みの一環として進めている、他機関所蔵資料のデジタル化による収集活動及び提供等について報告しました


2.ICA運営会合等

 ICA執行委員会では、2018年に行われた任期満了に伴う役員選挙の結果について発表が行われ、2019-2022年の任期で、会長にデービッド・フリッカー・オーストラリア国立公文書館長、 副会長にノーマン・シャルボノ・カナダ国立図書館公文書館最高執行責任者〈プログラム担当〉及びアンリ・ズベール・フランス防衛省アーキビスト〈財政担当〉がそれぞれ留任し、国立公文書館長フォーラム新代表にはジェフ・ジェームズ・イギリス国立公文書館長が選出されました。 また、2014-2018戦略プランの実施期間終了を受けた次期戦略プラン策定にかかる調査・検討の実施予定や、新しく「先住民問題」専門家グループ(Expert Group on Indigenous Matters)が発足したことの報告等が行われました。

 通常総会では、2019年度の予算案及び分担金額案が承認されたほか、2019年の年次会合が、オーストラリア・アーキビスト協会やPARBICA(ICA太平洋地域支部)等との共催により、オーストラリア・アデレードで開催されること(会期:10月21日〜25日)が発表されました。 また、ICAに対する長年の貢献を称えたICAフェローの認定制度が今年から再開し、紙資料の修復及びアーカイブズ建築分野の発展に寄与してきた、イギリスのジョナサン・レイ=ルイス氏がフェローとして承認され、フェローシップ授与式が行われました。

 国立公文書館長フォーラムでは、アメリカ、モロッコの各国立公文書館の取組みや、過去の植民地統治等に関する記録の所有/保存管理の在り方を考える「アーカイブズ遺産の共有にかかる専門家グループ」の活動報告が行われたほか、昨年より取り組まれてきた同フォーラムの再活性化策にかかる議論の結果、ICAに対するカテゴリーA会員(国立公文書館等)の貢献に鑑み、 年2回開催とすることとし、その第1回目が2019年4月にアラブ首長国連邦の首都アブダビで、ICA執行委員会にあわせて開催されることが発表されました

3.視察

 なお、年次会合期間中に、カメルーン国立公文書館を視察し、館長のエスター・オレムベ博士と意見交換等を行いました。同館はドイツ、フランス、イギリスによる植民統治時代の記録を主に所蔵しており、ドイツとは所蔵資料の整理事業を共同で行っています。

  • ICAカメルーン年次会合開会式

    ICAカメルーン年次会合開会式

  • カメルーン国立公文書館外観

    カメルーン国立公文書館外観



※ICA年次会合の詳しい内容は、当館の情報誌web版「アーカイブズ」第71号 に掲載しています。