国立公文書館研究紀要『北の丸』第50号の全文を掲載しました


『北の丸』では、当館が所蔵する資料をより多くの方に利用していただくことを目指し、当館が実施する各種調査・研究の成果を紹介しています。

「郵政関係移管文書の特徴」 は、逓信省・郵政省における文書管理体制を明らかにし、年度別の移管実績を数量的に把握、移管実績と移管基準の変更の相関関係を考察しています。また、郵政関係移管文書から政策決定過程がどの程度判明するのかを考証しており、これらの結果から、関連する文書の利用により、政策決定過程の検討に有益な情報を引き出すことが可能であると結論づけています。

「国立公文書館におけるオーラル・ヒストリー事業の実施に向けた一考察」 では、将来的に当館でオーラル・ヒストリー事業を展開するとした場合を想定し、事業目的や業務フローを明らかにするとともに、現時点で想定可能な課題等を整理し、その解決策の提案を試みています。

「行政文書の管理に関するガイドライン別表第二の「具体的な移管・廃棄の判断指針」の明確化」 は、評価選別基準の策定や見直しに係るケーススタディとして、国の評価選別の基準である別表第二の「具体的な移管・廃棄の判断指針」を取り上げ、公益法人に関する文書を中心に、移管もしくは廃棄となる文書の特徴等を明らかにしようと試みています。

「明治を編む ―維新史料編纂事務局による維新史料編纂― 」 は、修史事業の歴史的意義を考えるため、維新史料編纂会による史料収集・編纂活動に注目しました。この活動により作製された編纂資料は、現在でも極めて水準の高い史料集として活用され続けており、今日に至る明治維新史研究の学術状況を規定しています。

「統監府・朝鮮総督府の組織変遷について」 では、朝鮮における日本の植民地統治を担った統監府及び朝鮮総督府における機構の改編や部局の変遷について、主として国立公文書館が所蔵する『御署名原本』・『枢密院関係文書』・『公文類聚』などの文書に依拠して考察しています。


「弘化四年『御慰言贈帳』について 」 は、将軍が日常生活を送る「奥」(おく)と妻子が生活する「大奥」(おおおく)の雑用を務める奥坊主(おくぼうず)の御小道具役(おこどうぐやく)における執務日誌である『御慰言贈帳』を紹介するものです。全文の翻刻は国立公文書のウェブサイトに掲載しています。
全文翻刻:
http://www.archives.go.jp/publication/kita/pdf/onagusami_zenbun.pdf

「当館所蔵の『絵入り本』解題(6)」 は、貴重な古写本の陰に隠れて手つかずの状態となっていた「絵入り本」(本文に挿絵や図版などが添えられた書籍)について、書誌情報や内容などを解説したもので、第45号から発表しているものです。

「中古文学資料解題(2)」 は、平安時代に成立した文学作品(中古文学)および後世に成立したその注釈書類の書誌情報や解説を記したものです。第49号から続く内容となっており、今回は『源氏物語』等の写本・版本とその注釈書が中心となっています。

また、本号は創刊から数えて50号となることから、「巻頭言」として『 「北の丸」創刊五十号に寄せて 』という題で当館館長が寄稿しているほか、創刊号から本号までの総目次 を掲載しています。

(平成30年3月)

【リンク】
 『北の丸』第50号(平成30年3月)へ
 http://www.archives.go.jp/about/publication/kita/050.html