第17回ICAブリスベン大会等出張報告


1. 第17回ICAブリスベン大会

日    程:8月20日(月)〜24日(金)
主    催:ICA/オーストラリア政府/オーストラリア国立公文書館
大会テーマ:変化の風−持続可能性、信頼、アイデンティティ
        Climate of Change − Sustainability, Trust, Identity
会    場:ブリスベン・コンベンション・エキシビション・センター(オーストラリア・ブリスベン)
        クイーンズランド州立公文書館(修復ワークショップのみ)
>>ICAブリスベン大会に関する情報(英語)

    (1)参加者数・構成等
  • 参加者数:約95カ国/地域 約1,000名
    日本からの参加者は当館関係者を含め、約30名。

  • 8月21〜23日(火〜木)の専門プログラムでは、各日午前中に基調講演が行われ、その後個別発表があり、午後5時ごろからまとめの全体会合が30分程度開かれました。これらの専門プログラムと並行して、ICA関係の運営会合が行われ、21日(火)にEASTICA理事会及び国立公文書館長フォーラム、22日(水)にFIDA理事会、24日(金)にICA年次総会が開催され、それぞれ館長、顧問等が出席しました。

    (2)当館役職員・派遣講師によるセッション・ワークショップについて
  • 8月21・22日(火・水)当館役職員・派遣講師が、公文書管理法制の概要、大学アーカイブや地方公文書館の現状、東日本大震災への対応、デジタルアーカイブの開発等をテーマに8本の発表を行いました。 >>日本からの発表 [PDF]はこちら >>当日配布資料 [PDF](英語)はこちら

  • いずれの発表も各国から60-80名の聴衆があり、多くの関心を集め、会期中のセッションをピックアップして若手アーキビストがレポートしたICA「フライング・レポーター」のページでも、21・22日両日の日本の発表が取り上げられました。 >>フライング・レポーター記事 [PDF](英語)

  • 8月24日(金)、クイーンズランド州立公文書館修復室を会場として、修復ワークショップを2回実施し、合計25名が参加しました。まず昭和女子大学の増田勝彦教授が「日本における修復技術の変遷」と題して30分の講演を行い、その後当館の修復係3名が、伝統的な日本の修復方法の実習を行いました。

    (3)国立公文書館長フォーラムについて
  • 2011年に続き第2回国立公文書館長フォーラムが開催され、(1) 「開かれた政府」、(2) デジタル情報資源の評価、(3) 電子情報保存施設、(4) 未出版資料の記述標準、(5) スキルと能力の5つをテーマに、約30カ国の国立公文書館長が討議を行いました。

  • 館長が、「スキルと能力―デジタル環境における評価選別―:日本におけるレコードスケジュール導入の経験から」と題して発表し、当館で行っている評価選別プロセス及び行政機関職員に対する研修を紹介し、移管業務担当者に求められる資質について見解を述べました。

    (4)年次総会決定事項
  • 今回の総会では、ICA憲章が全面改正され、これまでより条文を簡略化し、詳細事項は内部規則で定めることとしました。これまでA会員(国立公文書館等)及びB会員(専門団体等)に限られていた総会の投票権をC会員(地方公文書館・国際機関等)にも拡大すること等が決定されました。地域支部会員になるには、まずICA会員にならなければならない、と定めた第16条に対して議論がなされ、ICA会員でなくても地域支部に加盟できるとする改正案がカリブ地域支部(CARBICA)から提出されましたが、否決されました。

  • 2013年の年次会合開催地に内定していたリオデジャネイロ(ブラジル)から、予算削減を理由とした開催撤回の申し出があり、開催地を再調整することになりました。

  • 2014年の年次会合開催候補地として、ジローナ(スペイン)がプレゼンテーションを行いました。

  • 2016年の韓国大会は9月開催、テーマは「アーカイブズ、調和、友情」と発表されました。

  • 総会ではこのほか、2013年度の分担金額、2012年のICA各部署の活動年次報告、2011年度外部監査報告、2013年予算案、「アーカイブズへのアクセスに関する原則」、ICAフェロー人事等を承認しました。

    (5)FIDA理事会
  • 8月22日(水)、FIDA理事会が開催され、顧問が理事として出席し、資金助成したプロジェクトの進捗状況の報告、新規の応募プロジェクトの個別審査等を行いました。

*ICAブリスベン大会の詳しい内容は、当館の情報誌「アーカイブズ」第48号(2012年11月発行予定)に掲載いたします。


    2. オーストラリア文化財修復協会主催修復技術ワークショップ
  • 8月27日(月)、オーストラリア文化財修復協会の要請に基づき、第7回オーストラリア文化財修復協会 図書、紙、写真資料シンポジウムに参加する会員を対象に、ブリスベンのクイーンズランド州立図書館において修復ワークショップを開催し、当館修復係職員3名が講師を務めました。オーストラリア、ニュージーランドの紙修復専門家21名が参加し、日本の修復技術を目の前で見ることができ、たいへん参考になった、と好評を得ました。

    3. オーストラリア国立公文書館(NAA)主催会合
  • オーストラリア国立公文書館長の呼びかけにより、ICAブリスベン大会終了後の8月27日(月)から29日(水)まで、キャンベラのオーストラリア国立公文書館を会場として会合がありました。主として運営面からアーカイブズに関する諸問題について討議することを目的とし、当館館長のほか、中国国家档案局副局長、ニュージーランド国立公文書館長、スコットランド国立公文書館長、シンガポール国立公文書館長、西サモア国立公文書館長が参加しました。

  • 国立公文書館が取り組むべき優先課題について、参加した国立公文書館長が率直な意見交換を行ったほか、アーカイブズ法制や視聴覚資料の管理、デジタル化の推進など特定のテーマについて情報交換を行いました。

  • ICAブリスベン大会 セッションの様子

    ICAブリスベン大会 セッションの様子

  • 東日本大震災セッションで発表する高山館長

    東日本大震災セッションで発表する高山館長

  • 修復ワークショップ 裏打ち作業の実習

    修復ワークショップ 裏打ち作業の実習

  • オーストラリア国立公文書館にて

    オーストラリア国立公文書館にて