公文書も紙からデジタルへ ー進む公文書の電子的管理ー

現在、国の行政機関が作成している公文書の大半は、紙の文書です。しかし昨年度、公文書の作成、保存、移管・廃棄までを一貫して電子的に管理する方針が示され、現在その準備が進められています。公文書の電子的管理には、どのような目的やメリットがあるのでしょうか。さまざまな疑問にお答えします。

 アメリカでは、オバマ大統領時代の2012年、「開かれた政府」の基盤となる記録の透明性や説明責任の確保のため、電子的な記録管理を必須化する方針が示されました。すでに、「2023年1月以降は、アメリカ国立公文書記録管理院(NARA)では電子フォーマット以外の記録を一切受け入れない」といった目標を定め、電子化が進められています。
 記録の作成、保存期間の設定、ネットワークによるNARAへの移管などの一連の作業は、大統領行政府を含む連邦政府機関で一元化されたシステム上で行われています。近年は、この記録管理システムとNARAのデジタルアーカイブをつなぐ開発も取り組まれています。NARAのデジタルアーカイブでは、文書記録や動画、音声、写真など幅広い記録を検索することが可能です。オンラインで閲覧できるデジタル記録も豊富です。

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現在、国の行政機関が作成している公文書の大半は、紙の文書です。しかし昨年度、公文書の作成、保存、移管・廃棄までを一貫して電子的に管理する方針が示され、現在その準備が進められています。公文書の電子的管理には、どのような目的やメリットがあるのでしょうか。さまざまな疑問にお答えします。

 イギリスでは2013年、政府の記録が公開されるまでの最長期間が原則として30年から20年に引き下げられたことに伴い、各国に先駆けて国立公文書館への電子記録の大規模な移管が始まりました。幅広い形式の電子記録を大量に受け入れるため、管理に必要な情報を自動的に作成するツールが早くから開発されており、近年は機密情報の抽出の自動化や、永久保存する記録の選別にAI技術や機械学習を取り入れる検討を進めています。



現在、国の行政機関が作成している公文書の大半は、紙の文書です。しかし昨年度、公文書の作成、保存、移管・廃棄までを一貫して電子的に管理する方針が示され、現在その準備が進められています。公文書の電子的管理には、どのような目的やメリットがあるのでしょうか。さまざまな疑問にお答えします。

 オーストラリアでは、2016年以降に電子的に作成された記録は、電子的に管理・保存することを原則とし、国立公文書館への移管は電子的な形でのみ受け入れる取組が進んでいます。また、1980年以降に作成された記録をデジタル化した場合、永久保存対象の記録であっても、デジタル化の手順や原本記録の特徴にかかる厳格に定められた条件を満たしていれば、原本の廃棄を認め、記録管理の効率化や管理コストの削減につとめています。