あの日の公文書 1月8日 平成が始まった日

 昭和64年(1989)1月7日、昭和天皇崩御に伴って開かれた午後の臨時閣議で、次の元号が「平成」に決定しました。翌8日は平成がスタートした日です。それから30年が経ち、来年平成31年(2019)の新天皇即位に伴い、再び元号が改定されようとしています。平成最後の年を迎えるにあたり、近年の元号改定のあゆみを振り返ります。

 かつて日本では頻繁に元号が変わっていました。天皇の在位中に元号を変えないことが定められたのは、明治元年(1868)のこと。明治天皇が発した「改元ノ詔」(一世一元の詔)で制定されました。

 その後の、大正や昭和への改元は、当時の皇室の規程であった旧「皇室典範」と「登極令」に則り行われ、元号を決めるのは皇室の役割でした。ところが、昭和22年(1947)にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の下で、現行の皇室典範が制定されたとき、元号に関する規定はすっかり消えていました。しかし、官民問わず「昭和」は広く使用され続けます。

 やがて、昭和天皇の高齢化などがきっかけとなり、元号論議が活発になりました。そこで、昭和54年(1979)に国会で「元号法」が成立。この法律により、元号は内閣によって定められるものとされたのです。

 あわせて、同年の10月23日に「元号選定手続について」が「閣議報告」として公表されました。この資料の中で、内閣総理大臣が選出した有識者が元号案を提出することや、全閣僚会議で協議し選定することなど、元号選定の手続きが定められました。平成から変わる新元号もこの手続きに則り選定されます。次は一体どのような元号になるのでしょうか。

単行書・勅語録

「単行書・勅語録」に収められた「改元ノ詔」。天皇の在位中は元号を変えない旨が記されている。

元号法

元号改定は内閣の役割と定めた「元号法」。

元号選定手続について

元号制定における留意点として、「漢字2字」「書きやすい」「これまでに元号又はおくり名として用いられたものではない」等を定めた「元号選定手続について」。

【参考文献】
「元号 全247総覧」(山本博文編著、株式会社悟空出版)、ミカド文庫webページ