12. 後醍醐天皇りん(『くつ古文書』)

 「後醍醐天皇綸旨」は、元弘3年(1333)8月12日に発せられた後醍醐天皇(在位:1318〜1339)の綸旨です。綸旨とは、蔵人くろうど(天皇の側近)が天皇の意向を奉じて作成した文書のことで、慣例として、宿しゅく(漉き返しの再生紙)を用いるため、全体が薄墨色に見えます。
 綸旨の内容は、佐々木時経(生没年未詳)という人物に対し、従来通りに近江国朽木荘の地頭職を与えるというものです。佐々木時経は近江佐々木氏の一族で、朽木荘を支配したことから朽木姓を名乗りました。
 「後醍醐天皇綸旨」を含む『朽木家古文書』は、江戸時代に旗本となった朽木家に伝えられた古文書の総称で、全部で1060余通の文書から成り、織田信長の朱印状なども含みます。明治21年(1888)に内閣記録局が朽木家から購入し、平成元年(1989)、国の重要文化財に指定されました。

【請求番号 特073-0001(1)】

写真をクリックすると拡大画像が表示されます
ページのトップへ戻る