●ICA執行委員会及び日本に対する緊急ステートメントについて



パナマにおけるICA執行委員会の概要



  • 平成23年3月27日から29日まで、国際公文書館会議(ICA)の運営会合である執行委員会(Executive Board)等の会合が、中米のパナマで開催され、日本から山崎日出男理事が東アジア地域支部(EASTICA)代表として出席しました。
  • 会議において、このたびの東日本大震災を受けて、緊急ステートメントが採択され、日本に対する被災へのお見舞いと、アーカイブズ関係者への支援の表明がありました。

    【ICAステートメント】
    2011年3月28日から29日まで、パナマで開催した執行委員会において、ICAは、日本社会に甚大な被害と喪失をもたらした地震と津波に対し、日本のアーカイブズ・コミュニティの皆様に心からお見舞いと共感の意を表します。ICAは、日本が直面している災害の結果、アーカイブズ関係機関において必要となる支援に応えるよう、最善を尽くして参ります。


    これに応えて山崎理事が挨拶し、震災後の状況を説明するとともに、明治維新、第二次世界大戦後の2度の復興・発展に次ぐ3度目の奇跡を起こすべく、今後1日も早い復興に向けて取り組んでいきたい、と述べました。
    [ICAステートメント及び山崎理事挨拶(英文)へ]
  • 執行委員会では、ICA円卓会議(CITRA)の見直しについて議論が交わされました。昨年から行われていたアンケートやヒヤリング調査の報告書が提出され、以下の方針が決まり、必要な憲章改正準備作業に入ることになりました。
  • (1)今後、CITRAはICA Annual Conference=ICA年次会合と名称を変え、全てのICA会員が参加可能な会議とする。
    (2)会議は次の3つの柱で構成する: 1) ガバナンス(年次総会等)、2) 専門プログラム(特定のテーマによるセミナー)、3) 国立公文書館長会合
    (3)専門プログラムのテーマや内容は、プログラムコミッション(PCOM)メンバーを中心に、ホスト国、セクション、地域支部、専門家等の助力を得ながら構成する。これまでCITRAの運営を担ってきたCITRA事務局は廃止する。
    (4)ICA年次会合はできる限り地域支部やセクションの会合と時期を合わせて開催する。
    (5)ICA大会はこれまで通り4年に1度開催し、より広範な参加者を視野に入れる。
  • また、今回の執行委員会には、2016年ICA大会開催国に立候補しているフランスと韓国から、それぞれ公文書館局長、国家記録院長等の代表が参加し、立候補の表明を行いました。執行委員会では、大会開催国の今後の選考手順を以下のように決定しました。
  • (1)2011年10月に開催されるCITRAトレド会合における執行委員会で、立候補国がプレゼンテーションを行い、投票により執行委員会としての推薦国を決定する。
    (2)執行委員会から年次総会に推薦国を提案し、投票によって正式に承認・決定する。
    日本は、韓国がICA大会開催国にふさわしい国際会議開催実績を持つことを発言し、同じEASTICA加盟国であり隣国である韓国を支持しました。
  • 上記のほか、財政状況報告、南米地域支部(ALA)との連携強化、アクセスWG・著作権WGの活動方針、世界アーカイブズ統計調査プロジェクトの構想等が議論されました。

ICAはユネスコの支援を受けて設立された公文書館の国際非政府組織で、1948年(昭和23)に設立され、日本の国立公文書館は開館の翌年の1972年に会員として加盟しました。現在約195カ国/地域の公文書館及び関係団体等、1,500の会員が加盟しています。4年に1度、2,000人規模の大会が、その他の年に200人規模の円卓会議が開催されます。2011年の第43回国際公文書館円卓会議は、10月22日〜28日にトレド(スペイン)で開催される予定です。




執行委員会に出席する山崎理事
執行委員会に出席する山崎理事


左から山崎理事、Sara Carvajalパナマ国立公文書館長
左から山崎理事、Sara Carvajalパナマ国立公文書館長


韓国代表団と。左から3人目Gyeong Og Lee国家記録院長、右端Sang-Wan Han記録管理協会会長
韓国代表団と。左から3人目Gyeong Og Lee国家記録院長、右端Sang-Wan Han記録管理協会会長